ピアノが弾けたら、どんなお仕事があるのでしょうか?
2012-03-26 : ピアノレッスンこんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
今回のテーマは「ピアノと共に進む道〜職業としてのピアノ〜」。
実際「ピアノが弾けたら、どんなお仕事があるのでしょうか?」というご相談が意外と多いんですよね。やっぱり得意なことや好きなことで生活していく将来像には、憧れますよね〜。
ひと口にピアノのお仕事といっても色々ありますが、大きく次の2つに分けられます。
1はピアノの演奏そのものが収入につながる仕事で、2はピアノを弾く技術を活かして収入につなげる仕事です。一見するとどちらも同じように見えるかもしれませんが……。
それではまず、純粋にピアノの演奏だけで食べていくお仕事から見ていきましょう。
ピアノを演奏することそのものが、直接収入につながるお仕事です。その代表はなんといってもプロのピアニストですよね。
しかしご想像の通り、ただピアノを演奏するだけで生計を立てるのは難しく、ハッキリ言って食っていくのは非常に困難です。
しかし類まれな才能と、血の滲む努力で得た技能、大舞台でも怯まない鋼の心臓、そして数少ないチャンスをつかみ取れる強運の持ち主であれば大丈夫。プロへのスタートラインに立てます。^^
国際的なピアノコンクールでの実績や、世の中に広く認められた高度な演奏技術と表現力があれば、プロのピアニストとして活動していくこともできなくはありません。
聴衆はあなたの演奏に心奪われ、スポットライトが照らす中、大喝采で賞賛してくれるでしょう。数年先まで予定はビッシリ。世界中のステージがあなたを待っています。
……ですが、現実的には極少数の人だけがくぐれる狭き門です。針の穴にラクダを通すより難しいかもしれませんね。^^;
しかもプロになったからといって、周りがすべてお膳立てしてくれるわけでもありません。
プロとして収入を得ながら継続的にやっていくためには、ピアノの演奏技術だけではなく、ルックスやトークスキル、知性や知識、キャラクター性など、ユニークなパーソナリティーも求められます。
活躍の場を広げようと思ったら、企画力や行動力、プレゼンテーション能力、自己プロデュース力も必要です。
プロの世界でも競争は続きますから、そこでも生き残っていかなくてはいけません。もぉ〜なるだけでも厳しいのに、なった後もさらに厳しい。それがプロの世界なんです。
いきなりプロのピアニストとしてやっていくのはハードルが高過ぎるにしても、もう少しソフトにスタートさせる方法もあります。
学生のときから徐々に演奏活動をはじめて、ライブハウスやホールなど多くの演奏会場やそのオーナーさんたちとの接点を築き、そこから活動範囲を広げていくのもひとつです。
もちろん最初はまとまった収入に結びつかないかもれません。バイトと掛け持ちだったり、チケットの手売りなども必要になったりしますから、これはこれでなかなか大変。バンド活動と似てますよね。
ただ、昔はレコード会社のお偉いさんに声をかけれられて……、な〜んてサクセスストーリーを夢見てましたが、今はもっと積極的にアピールできようになりました。
YouTubeなどに演奏動画をアップし、ブログやSNSを活用して、より多くの人に自分という演奏家を知ってもらうことができるからです。また演奏音源をネット販売することもできるでしょう。
ジャスティン・ビーバーやレベッカ・ブラックのように、ある日突然爆発的にブレイクした例もあります。いやはや、つくづく凄い時代になったなぁと。^^
しかし、企画力や行動力、自己プロデュース力が必要なのはプロと同じ。しかもライバルが多い分、より競争が激しいと言えるでしょう。何よりもまず、諦めない心が大事かもしれませんね。
華はないけどピアノの演奏技術なら誰にも負けねぇぜ。そんな人はスタジオミュージシャンという道もあります。
プロのレコーディング現場で、初見でも高度な要求に確実に応えられる技術力を提供します。コンサートでのサポートメンバーとして呼ばれることもありますし、豊富な経験を頼られることもあります。
ただしどうやってその道に進めばいいのか? どうすればオファーが来るのか? その辺は曖昧なんですね。少なくとも自分自身もプロデビューしておく必要があるでしょう。
またピアノだけでなく、他の楽器のことや音楽全般の知識、はたまた音響やPAエンジニアリングについての理解もあった方がいいですね。
とにかくプロが頼るプロとして、精進を忘れずに。
【参考】
スタジオミュージシャン(ピアノ)を目指す高校2年です…(外部サイト)
ステージの華々しさはありませんが、確実に需要のある演奏現場もあります。たとえばレストランや結婚式場など、各種セレモニーでのピアノ演奏です。
そこまで高度な演奏スキルは求められませんが、リクエストに応えられるくらいの応用力やレパートリーは必要ですね。
会場へ営業する場合もありますし、こまめにチェックしていれば、求人情報を見つけることもできるでしょう。伝手やコネ、紹介などで入れることもあるようです。専門の派遣業者もあります。(下記リンク参照)
ただ立場が不安定なのと、それだけで生計を立てられるほどの収入かどうかも微妙。多くの会場を掛け持ちする体力も必要かもしれません。
またピアノ演奏家としてのブレイクスルーはあまり期待できないので、別途自発的なアクションを起こす必要があるでしょう。
【参考】
生演奏の【Extension/エクステンション】(外部サイト)
ここまで見てきたピアノを演奏する仕事は、クラシックやジャズ、ポピュラーなど、音楽ジャンルによって進むべきルートや難易度が変わってくることをお忘れなく。
また1-4以外のケースでは、なれない場合もある、上手く大成できないこともある、というリスクも考えておく必要があります。
ピアノを演奏することで直接収入につなげるのでなく、考え方ややり方を工夫し、ピアノが弾けるということを活かして、仕事として成り立たせることができます。
その場合まず自分のピアノの演奏技術に何かをプラスして、「社会にどう役に立たせるか?」ということを考えていきます。
たとえば……
ピアノを弾く技術 + ピアノを教える技術
お馴染みピアノの先生ですね。\(^O^)/
個人でピアノ教室を開く以外にも、音楽スクールに所属して講師として働いたり、出張専門で教えるなど、いろんなケースがありますが、技量さえあれば特に資格等は必要ありません。
一見楽そう(?)ですが、どうやって生徒を集めるのか? とか、より良く教えるにはどうしたらいいのか? など課題も多いんですよね。^^;
都市部や郊外、地方など立地条件や、人口状況によっても難易度は大きく変わってきます。
また個人教室の場合、専業で生計を立てていくには、それなりの経営努力も必要となります。
ピアノを弾く技術 + 子どもを預かる知識や資格
大学や短大など保育専門の学校で学び資格を取得する方法と、保育士試験で資格を取る方法があり、毎年多くの方が資格を取得されています。
一般の認知度もとても高く、人気の職業と言えるかもしれませんね。
必要とされるピアノのスキルも比較的低いですが、クラッシクよりも童謡やポピュラー曲をコード弾きで、しかも子どもたちをコントロールしながらさらに自身も歌って、といった器用さは求められます。
現場でのピアノは必須に近く、弾けない場合のプレッシャーは想像以上。ピアノ以外もたくさんの専門知識が必要で、準備のための作業や保護者とのやり取りなど、多くの業務をこなさないといけません。
少子化や待機児童の問題、現役保育士数の不足や収入面など、社会的な課題も多く、今後は制度そのものの移り変わりも要チェックですね。
【参考】
全国保育士養成協議会(外部サイト)
ピアノを弾く技術 + 小中高の音楽教育知識や資格
児童・生徒にどう音楽教育を施していくのか、教育者としての手腕が問われ、ひとりひとりの将来の音楽への関わり方に大きな影響を与える、とても重要な仕事です。それだけに、やり甲斐もありますよね。
求められるピアノスキルも決して高くはないため、小さい頃からやっていなくても十分間に合うと言われています。音大でなくても教育大や教育学部から目指せるのも魅力です。
小学校では必ずしも音楽専科の先生を採用しているわけではなく、確実に音楽専科を目指すのであれば、科目が限定される中学校音楽教員免許の方がいいでしょう。
ただ求人自体も多くはありませんし、採用も自治体や教育委員会、学校によっても違いがあるといいます。さらに音大組と教育大・教育学部組が集中するので、競争率は高いと思っておいたほうがいいでしょう。
【参考】
小学校の音楽専科の先生になるには? (外部サイト)
ピアノを弾く技術 + 医療・福祉の知識・資格
医療や福祉と強い関連性を持ち、代替医療、補完医療として症状を和らげたり、リハビリや療育として活用されるのが音楽療法の世界です。
まだまだ職業として確立されたとは言いがたいですが、高齢者施設や障がい者児の教育現場などで、一定の需要が生まれてきています。
多くの場合は施設に務めながら、ほかの業務もこなしつつ、音楽療法も行うことになります。専業で音楽療法だけとなると、かなり少数になるのではないでしょうか。
また需要が生まれてきているといっても、決して音楽療法士の求人は多くはなく、就職先としてはなかなか厳しい面もあります。
一方、大学等で専門の学部・学科が設置されてきたりと、将来の伸びしろはまだまだありそうです。
まだ国家資格ではありませんが、学びと技術向上のためにも資格を取得しておくべきでしょう。主なところでは日本音楽療法学会があります。
【参考】
日本音楽療法学会(外部サイト)
またこういうクリエイティブな仕事も……
ピアノを弾く技術 + 作曲・編曲スキル
フリーの作曲家というと、なかなかイメージがつかないかもしれませんが、たとえばゲーム音楽などは大きな組織に所属し、社員としてお給料を頂きながら活動できます。
今だったらスマホアプリへの楽曲提供なんていうのも、そこそこ需要があるかも。(フリー音源に代替されているかもしれませんが。)
ただ映画やドラマ、CMなどの音楽作りとなると、どうやって携わればいいのかは霧の中です。才能以外にも人脈、コネ、実績(!)、組合などなど。就職先として考えるのは無理があります。
いずれにしても、依頼者のいろんな要求に応えられる幅広い音楽の引き出しと、今だったらデジタルでの作曲スキルも必要になります。紙の楽譜で提出されても、困りますからね。^^;
【参考】
ハリウッド映画音楽の作曲家になるには(外部サイト)
将来CM、映画、映像音楽の作曲家になる事を……(外部サイト)
まだまだありますが、主だったところはザッとこんな感じです。ひと口にピアノを使ったお仕事といってもいろんなものがありますよね。
どれかひとつに絞って活動されている人もいれば、複数の領域で活躍されている人もいます。
しかし職業としてある程度しっかり確立されているものとなると、保育士・幼稚園教諭や音楽専科の先生くらいでしょうか。我が子の将来の仕事として親が安心できるのも、この辺りですよね。
また収入格差も広く、下は売れないミュージシャンから、上は世界的ピアニストや売れっ子作曲家まで、天と地ほどの開きがあります。金融機関からの信頼も低く、住宅ローンを組むのも一苦労です。
決して“就職先”として安定している世界ではありませんので、そこは肝に銘じてきましょう。要は覚悟が必要ということですね。
さて、今回のピアノ魔法は…
(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆
すでに見てきましたように、純粋にピアノの演奏だけでお仕事を探そうとすると、なかなかムズかしいのが現実です。
でも小さなときから培ってきたピアノの技術という土台の上に何かをプラスすれば、いろんな選択肢が広がってきますよね。
ピアノに組み合わせる“何か”を、しっかり見つけてみてください。
それぞれの組み合わせ結果によって、要求されるピアノの技術レベルや、必要とされる技術の質や方向性も違います。(もちろん性格や性質による向き不向きも大きいです。)
ピアノ演奏技術がその職業で求められるレベルに追いついてるか? これから先、追いつきそうなのか?
日々の練習やレッスンがそこにつながるように今からしっかり見据え、自分(我が子)のやりたいことや方向性を、指導者の先生に伝えていくことが大切になります。
その上で、どんな演奏技術や理論、スキルが必要なのかを見極めながら、進路を決めていきましょう。
【関連書籍】
次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック 知恵とノウハウ、みんなでシェア!
いずれにしても職業を選択するということは、本気度が試されるということ。もしピアノに関わる職業を選ばれるのであれば、ピアノにも本気で向かわないといけませんよね。
最後にとても重要なことを。
(ピアニスト以外で)ピアノ関係の仕事に就こうするとき、音大やそこの就職課、先生方は頼りになりません。それどころか、まったく関心が無いと思っておいてちょうどいいくらいです。ホントに。
(一般企業への就職となると、もっと無関心になりますから。^^;)
そう、頼りは自分だけですよ!
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
今回のテーマは「ピアノと共に進む道〜職業としてのピアノ〜」。
実際「ピアノが弾けたら、どんなお仕事があるのでしょうか?」というご相談が意外と多いんですよね。やっぱり得意なことや好きなことで生活していく将来像には、憧れますよね〜。
ひと口にピアノのお仕事といっても色々ありますが、大きく次の2つに分けられます。
- ピアノを演奏する仕事
- ピアノの技量を活かした仕事
1はピアノの演奏そのものが収入につながる仕事で、2はピアノを弾く技術を活かして収入につなげる仕事です。一見するとどちらも同じように見えるかもしれませんが……。
この記事の目次:
それではまず、純粋にピアノの演奏だけで食べていくお仕事から見ていきましょう。
1.ピアノを演奏する仕事 〜 弾けるというだけでは厳しいプロの世界
ピアノを演奏することそのものが、直接収入につながるお仕事です。その代表はなんといってもプロのピアニストですよね。
しかしご想像の通り、ただピアノを演奏するだけで生計を立てるのは難しく、ハッキリ言って食っていくのは非常に困難です。
しかし類まれな才能と、血の滲む努力で得た技能、大舞台でも怯まない鋼の心臓、そして数少ないチャンスをつかみ取れる強運の持ち主であれば大丈夫。プロへのスタートラインに立てます。^^
1-1.プロのピアニストとしてデビュー
国際的なピアノコンクールでの実績や、世の中に広く認められた高度な演奏技術と表現力があれば、プロのピアニストとして活動していくこともできなくはありません。
聴衆はあなたの演奏に心奪われ、スポットライトが照らす中、大喝采で賞賛してくれるでしょう。数年先まで予定はビッシリ。世界中のステージがあなたを待っています。
……ですが、現実的には極少数の人だけがくぐれる狭き門です。針の穴にラクダを通すより難しいかもしれませんね。^^;
しかもプロになったからといって、周りがすべてお膳立てしてくれるわけでもありません。
プロとして収入を得ながら継続的にやっていくためには、ピアノの演奏技術だけではなく、ルックスやトークスキル、知性や知識、キャラクター性など、ユニークなパーソナリティーも求められます。
活躍の場を広げようと思ったら、企画力や行動力、プレゼンテーション能力、自己プロデュース力も必要です。
プロの世界でも競争は続きますから、そこでも生き残っていかなくてはいけません。もぉ〜なるだけでも厳しいのに、なった後もさらに厳しい。それがプロの世界なんです。
1-2.地道な活動から徐々にプロの世界へ
いきなりプロのピアニストとしてやっていくのはハードルが高過ぎるにしても、もう少しソフトにスタートさせる方法もあります。
学生のときから徐々に演奏活動をはじめて、ライブハウスやホールなど多くの演奏会場やそのオーナーさんたちとの接点を築き、そこから活動範囲を広げていくのもひとつです。
もちろん最初はまとまった収入に結びつかないかもれません。バイトと掛け持ちだったり、チケットの手売りなども必要になったりしますから、これはこれでなかなか大変。バンド活動と似てますよね。
ただ、昔はレコード会社のお偉いさんに声をかけれられて……、な〜んてサクセスストーリーを夢見てましたが、今はもっと積極的にアピールできようになりました。
YouTubeなどに演奏動画をアップし、ブログやSNSを活用して、より多くの人に自分という演奏家を知ってもらうことができるからです。また演奏音源をネット販売することもできるでしょう。
ジャスティン・ビーバーやレベッカ・ブラックのように、ある日突然爆発的にブレイクした例もあります。いやはや、つくづく凄い時代になったなぁと。^^
しかし、企画力や行動力、自己プロデュース力が必要なのはプロと同じ。しかもライバルが多い分、より競争が激しいと言えるでしょう。何よりもまず、諦めない心が大事かもしれませんね。
1-3.滅法腕の立つ職人技、スタジオミュージシャンへの道
華はないけどピアノの演奏技術なら誰にも負けねぇぜ。そんな人はスタジオミュージシャンという道もあります。
プロのレコーディング現場で、初見でも高度な要求に確実に応えられる技術力を提供します。コンサートでのサポートメンバーとして呼ばれることもありますし、豊富な経験を頼られることもあります。
ただしどうやってその道に進めばいいのか? どうすればオファーが来るのか? その辺は曖昧なんですね。少なくとも自分自身もプロデビューしておく必要があるでしょう。
またピアノだけでなく、他の楽器のことや音楽全般の知識、はたまた音響やPAエンジニアリングについての理解もあった方がいいですね。
とにかくプロが頼るプロとして、精進を忘れずに。
【参考】
スタジオミュージシャン(ピアノ)を目指す高校2年です…(外部サイト)
1-4.目立たないけど確実に需要のある演奏現場
ステージの華々しさはありませんが、確実に需要のある演奏現場もあります。たとえばレストランや結婚式場など、各種セレモニーでのピアノ演奏です。
そこまで高度な演奏スキルは求められませんが、リクエストに応えられるくらいの応用力やレパートリーは必要ですね。
会場へ営業する場合もありますし、こまめにチェックしていれば、求人情報を見つけることもできるでしょう。伝手やコネ、紹介などで入れることもあるようです。専門の派遣業者もあります。(下記リンク参照)
ただ立場が不安定なのと、それだけで生計を立てられるほどの収入かどうかも微妙。多くの会場を掛け持ちする体力も必要かもしれません。
またピアノ演奏家としてのブレイクスルーはあまり期待できないので、別途自発的なアクションを起こす必要があるでしょう。
【参考】
生演奏の【Extension/エクステンション】(外部サイト)
1-5.ピアノを演奏する仕事の補足
ここまで見てきたピアノを演奏する仕事は、クラシックやジャズ、ポピュラーなど、音楽ジャンルによって進むべきルートや難易度が変わってくることをお忘れなく。
また1-4以外のケースでは、なれない場合もある、上手く大成できないこともある、というリスクも考えておく必要があります。
2.ピアノの技量を活かした仕事 〜 足し算で見えてくる様々なお仕事
ピアノを演奏することで直接収入につなげるのでなく、考え方ややり方を工夫し、ピアノが弾けるということを活かして、仕事として成り立たせることができます。
その場合まず自分のピアノの演奏技術に何かをプラスして、「社会にどう役に立たせるか?」ということを考えていきます。
たとえば……
ピアノを弾く技術 + ピアノを教える技術
=ピアノ教室の講師やレスナー
お馴染みピアノの先生ですね。\(^O^)/
個人でピアノ教室を開く以外にも、音楽スクールに所属して講師として働いたり、出張専門で教えるなど、いろんなケースがありますが、技量さえあれば特に資格等は必要ありません。
一見楽そう(?)ですが、どうやって生徒を集めるのか? とか、より良く教えるにはどうしたらいいのか? など課題も多いんですよね。^^;
都市部や郊外、地方など立地条件や、人口状況によっても難易度は大きく変わってきます。
また個人教室の場合、専業で生計を立てていくには、それなりの経営努力も必要となります。
ピアノを弾く技術 + 子どもを預かる知識や資格
=保育士・幼稚園教諭
大学や短大など保育専門の学校で学び資格を取得する方法と、保育士試験で資格を取る方法があり、毎年多くの方が資格を取得されています。
一般の認知度もとても高く、人気の職業と言えるかもしれませんね。
必要とされるピアノのスキルも比較的低いですが、クラッシクよりも童謡やポピュラー曲をコード弾きで、しかも子どもたちをコントロールしながらさらに自身も歌って、といった器用さは求められます。
現場でのピアノは必須に近く、弾けない場合のプレッシャーは想像以上。ピアノ以外もたくさんの専門知識が必要で、準備のための作業や保護者とのやり取りなど、多くの業務をこなさないといけません。
少子化や待機児童の問題、現役保育士数の不足や収入面など、社会的な課題も多く、今後は制度そのものの移り変わりも要チェックですね。
【参考】
全国保育士養成協議会(外部サイト)
ピアノを弾く技術 + 小中高の音楽教育知識や資格
=音楽教師(音楽専科)
児童・生徒にどう音楽教育を施していくのか、教育者としての手腕が問われ、ひとりひとりの将来の音楽への関わり方に大きな影響を与える、とても重要な仕事です。それだけに、やり甲斐もありますよね。
求められるピアノスキルも決して高くはないため、小さい頃からやっていなくても十分間に合うと言われています。音大でなくても教育大や教育学部から目指せるのも魅力です。
小学校では必ずしも音楽専科の先生を採用しているわけではなく、確実に音楽専科を目指すのであれば、科目が限定される中学校音楽教員免許の方がいいでしょう。
ただ求人自体も多くはありませんし、採用も自治体や教育委員会、学校によっても違いがあるといいます。さらに音大組と教育大・教育学部組が集中するので、競争率は高いと思っておいたほうがいいでしょう。
【参考】
小学校の音楽専科の先生になるには? (外部サイト)
ピアノを弾く技術 + 医療・福祉の知識・資格
=音楽療法(ミュージックセラピー)
医療や福祉と強い関連性を持ち、代替医療、補完医療として症状を和らげたり、リハビリや療育として活用されるのが音楽療法の世界です。
まだまだ職業として確立されたとは言いがたいですが、高齢者施設や障がい者児の教育現場などで、一定の需要が生まれてきています。
多くの場合は施設に務めながら、ほかの業務もこなしつつ、音楽療法も行うことになります。専業で音楽療法だけとなると、かなり少数になるのではないでしょうか。
また需要が生まれてきているといっても、決して音楽療法士の求人は多くはなく、就職先としてはなかなか厳しい面もあります。
一方、大学等で専門の学部・学科が設置されてきたりと、将来の伸びしろはまだまだありそうです。
まだ国家資格ではありませんが、学びと技術向上のためにも資格を取得しておくべきでしょう。主なところでは日本音楽療法学会があります。
【参考】
日本音楽療法学会(外部サイト)
またこういうクリエイティブな仕事も……
ピアノを弾く技術 + 作曲・編曲スキル
=作曲家
フリーの作曲家というと、なかなかイメージがつかないかもしれませんが、たとえばゲーム音楽などは大きな組織に所属し、社員としてお給料を頂きながら活動できます。
今だったらスマホアプリへの楽曲提供なんていうのも、そこそこ需要があるかも。(フリー音源に代替されているかもしれませんが。)
ただ映画やドラマ、CMなどの音楽作りとなると、どうやって携わればいいのかは霧の中です。才能以外にも人脈、コネ、実績(!)、組合などなど。就職先として考えるのは無理があります。
いずれにしても、依頼者のいろんな要求に応えられる幅広い音楽の引き出しと、今だったらデジタルでの作曲スキルも必要になります。紙の楽譜で提出されても、困りますからね。^^;
【参考】
ハリウッド映画音楽の作曲家になるには(外部サイト)
将来CM、映画、映像音楽の作曲家になる事を……(外部サイト)
安定ではなくチャレンジ!本気度が試されるピアノのお仕事
まだまだありますが、主だったところはザッとこんな感じです。ひと口にピアノを使ったお仕事といってもいろんなものがありますよね。
どれかひとつに絞って活動されている人もいれば、複数の領域で活躍されている人もいます。
しかし職業としてある程度しっかり確立されているものとなると、保育士・幼稚園教諭や音楽専科の先生くらいでしょうか。我が子の将来の仕事として親が安心できるのも、この辺りですよね。
また収入格差も広く、下は売れないミュージシャンから、上は世界的ピアニストや売れっ子作曲家まで、天と地ほどの開きがあります。金融機関からの信頼も低く、住宅ローンを組むのも一苦労です。
決して“就職先”として安定している世界ではありませんので、そこは肝に銘じてきましょう。要は覚悟が必要ということですね。
さて、今回のピアノ魔法は…
(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆
幼少期でのピアノの技術習得は、職業的選択肢を広げるチャンスを得ること♪
すでに見てきましたように、純粋にピアノの演奏だけでお仕事を探そうとすると、なかなかムズかしいのが現実です。
でも小さなときから培ってきたピアノの技術という土台の上に何かをプラスすれば、いろんな選択肢が広がってきますよね。
ピアノ + 何か =「やりたい仕事・職業」
ピアノに組み合わせる“何か”を、しっかり見つけてみてください。
それぞれの組み合わせ結果によって、要求されるピアノの技術レベルや、必要とされる技術の質や方向性も違います。(もちろん性格や性質による向き不向きも大きいです。)
ピアノ演奏技術がその職業で求められるレベルに追いついてるか? これから先、追いつきそうなのか?
日々の練習やレッスンがそこにつながるように今からしっかり見据え、自分(我が子)のやりたいことや方向性を、指導者の先生に伝えていくことが大切になります。
その上で、どんな演奏技術や理論、スキルが必要なのかを見極めながら、進路を決めていきましょう。
【関連書籍】
次世代ミュージシャンのオンガク活動ハンドブック 知恵とノウハウ、みんなでシェア!
前作で自立したミュージシャンになるための考え方を示した著者が、これからのオンガク活動の実例をこれでもか!と紹介している本書は、まさに実践の書と言えるでしょう。今この時代にオンガク活動を続けるなら、絶対にチェックしておくべき1冊だと自負しています。(リットーミュージックWebサイト 編集担当よりひとこと から抜粋引用)Kindle版
いずれにしても職業を選択するということは、本気度が試されるということ。もしピアノに関わる職業を選ばれるのであれば、ピアノにも本気で向かわないといけませんよね。
最後にとても重要なことを。
(ピアニスト以外で)ピアノ関係の仕事に就こうするとき、音大やそこの就職課、先生方は頼りになりません。それどころか、まったく関心が無いと思っておいてちょうどいいくらいです。ホントに。
(一般企業への就職となると、もっと無関心になりますから。^^;)
そう、頼りは自分だけですよ!
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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小学校の教員免許取得を目指す者です。
保育士・幼稚園2種は既に持っていますが、乳児よりある程度大きな子どもたちと関わるほうが好きなのと、採用試験の年齢層が広いのと、給与面から、一念発起してこの歳からのスタートです。
小学校免許があれば、小学校の音楽専科もできます。
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恥ずかしがらないで、お腹から声を出して、はっきり口を開けて、楽しく歌う。
正確なリズムとテンポで歌いながら弾くために、ピアノを簡単にアレンジするのはアリでしょう。
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