ご近所からピアノの音がうるさいと苦情が!解決に役立つお付き合いと物理的な方法5選
2017-12-04 : ピアノレッスンこんにちは、FUKUON 福田音楽教室 ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
「ご近所からの苦情が気になって、思い切りピアノが弾けないのです。どうすればよいでしょうか?」
こういったご相談を稀にお受けします。
一度でも苦情がくるとそれ以降ビクビクして、ピアノの練習どころでなくなってしまいますよね。
ピアノに限らず楽器演奏と騒音、そしてご近所からの苦情は、切っても切れない問題。昔からある悩みのひとつです。
私もピアノを教えるのが仕事であって、トラブル解決の専門家ではありません。なので的確なことは言えませんが、それでも考えられる解決方法を一緒に見ていきたいと思います。
他人事ではありませんからね。^^;
そのピアノの音で困っているのは本当は誰? 解決すべきはどちら?
ピアノは音を出して弾いてこそ練習として成り立ちますし、音を聴くことで上達もします。しかし当然のことながら音が出ます。それも決して小さくはない音です。
一方、自分が意図していないタイミングで聞こえてくる他者の音は、時として苦痛に感じるもの。大きな音で、調子っ外れのメロディーが、昼夜構わず鳴り響けば、誰だって不快に感じますよね。
すると「音を出してピアノを弾きたい」という希望と、「うるさいから弾かないでほしい」という要望が、同時に存在してしまうことに。
両者は一見対立しているようにも見えますが、実は「うるさい」と感じている人の方が、一方的に困っているのです。ピアノの音さえなければ、この問題は起こらないわけですから。
ここを見誤ると、問題の解決からは遠ざかってしまいます。
- 少しくらい我慢してほしい
- 遠慮して弾くから堪えてほしい
- 昼間だからいいでしょ
と、弾く側の理論だけで困っている人の方に我慢を強いたり、マンションなど集合住宅では……
- 入居時に(大家さんや不動産屋・管理会社から)OKをもらっているから
- 規約に大丈夫だって書いてあるから
と、その場にいない人の承諾や正論を盾に、自分の要求を通そうとするのはどうでしょう。
それでピアノの音が消えるわけでも、相手の苦痛がなくなるわけでもなく、余計に軋轢や摩擦が増して住民感情はますます悪化。その先、分かり合える可能性がなくなってしまいます。
そもそもご近所の人からすれば、そのピアノの練習に付き合わなければならない義理も道理もないのですから。
やはりここは、原因を作っている方が対応を考えるのが筋(スジ)というもの。まず困っている人の立場になって考えるという、問題解決の基本に立ち返った方がよいでしょう。
つまりピアノを弾く側から、問題解決のためのアクションを起こす必要があるんです。
ご近所付き合いで軽減するピアノの音問題5選
ピアノの音で困っているのはご近所の方ですから、「ご近所付き合い」という昔ながらのコミュニケーションが、解決のための重要な役割となります。
何と言っても普段からのご近所付き合いが大切なんです、今も昔も。
そこで今回のピアノ魔法は…
(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆
音を響かせてピアノを弾く場合、どうしても周囲の理解が欠かせません。そのためには……
- 日常的なご挨拶
- 地域活動に積極的に参加する
- 季節のお届けモノ
- ピアノをはじめることを伝える
- 具体的なピアノの練習時間の提示と確認
の5つのステップを見直してみてください。
1.日常的なご挨拶
ご近所付き合いの基本は日常の挨拶から。
当たり前のことかもしれませんが、ここを疎かにしていては、ピアノの騒音も倍増しで聞こえてしまいます。
人として、同じ地域に住む者同士、気持ちよく挨拶したいですよね。
2.地域活動に積極的に参加する
ピアノの音を出したいという自分の要求を通そうとする前に、近隣や地域への奉仕や貢献の精神を表しておきたいものです。
自治会や町内会の清掃活動など、地域の活動には積極的に参加しておきましょう。同じ労を共にすることで連帯感が生まれ、相互の理解が進みます。災害時などの助け合いにもつながりますよね。
かくいう私(のパートナー)も、近所の公園の清掃や自治会の集まりにはできる限り参加しているんですよ。
3.季節のお届けモノ
これもご近所付き合いの定番ですが、季節ごとのお届け物やお土産、お裾分けなど、もらって嫌な人は少ないものです。
また贈るだけでなく、その場でのちょっとした世間話が、つながりを作る上で大切なコミュニケーションとなっているのも見逃せません。
ささやかな物で構わないと思いますので、やってないという人は考えてみてください。もちろん私も実践していますよ~。
4.ピアノをはじめることを伝える
ピアノを購入したからといって突然弾きはじめるのではなく、そのことをご近所の方にお伝えすることも忘れずに。
上記1~3までがしっかりできていれば、そんなに反発もないかもしれませんし、少しは気が楽です。でも1~3が足りなければ、ハードルが上がりますよね。非常に伝えづらい……というか。
ピアノの音は周辺にも響きますから、近所の人も無関係ではいられなくなります。それだけに、事前にちゃんとお伝えしておくことをオススメします。
5.ピアノの練習時間の提示と確認
だいたいで構わないので、何時頃から何時くらいまでピアノを弾くのかお伝えして、大丈夫かどうか確認しておきましょう。もちろん深夜や早朝などを避け、常識的な範囲であることが前提です。
わかっていれば我慢できることもあります。でもいつまで我慢すればいいのか先が見えないと、堪えるのが難しくなります。
ひょっとしたら赤ちゃんが寝ているかもしれませんし、寝たきりの方がいるかもしれません。あるいは、夜勤明けで昼間は寝たいという人もいるでしょう。
なのでピアノの練習時間は、確認しておくに越したことはありません。
物理的な方法で解決するピアノの音問題5選
上記で見てきたように、ピアノの音問題については、ご近所の方々とのコミュニケーションが欠かせません。
しかし既に苦情が来ていたり、ご近所との関係がこじれてしまっている場合、次のような物理的な方法でピアノの音を減らすことを考えてみる必要があります。
- 消音装置とヘッドホンを使う
- 練習室を借りる
- 消音材・吸音材を取り入れる
- 防音室や防音室ユニットの導入
- ピアノ前提の部屋に引っ越す
もちろん十分なコミュニケーションが図れている上で取り入れると、より一層効果的なのは言うまでもありませんよね。
ただし、それなりの出費は覚悟しなければなりませんが。
1.消音装置とヘッドホンを使う
ピアノには消音装置を取り付けることができる場合があります。消音ユニットやサイレント機能、消音ピアノ、サイレントピアノとも呼ばれますが、ピアノ購入後でも後づけて取り付けることができます。
一般的なピアノの消音装置は、弦にハンマーが当たらないように制御することで音を鳴らなくして、代わりにヘッドホンなどから音が出るようにしているんですね。
防音室よりも断然安価ですので取り付けている方も多く、夜間の練習に活用されている人もいますよね。Amazonにもこんな商品があります。
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ただヘッドホンから聴こえる音は、あくまでもシュミレートした音。本物のピアノの音とは違いますので、その辺は妥協するか、別途どこかで実際に音を出して練習する必要もあるでしょう。
またピアノの音は出なくても、指で鍵盤を叩いたりペダルを踏んだりする鈍い物理音は出ますから、マンションなどでは階下へ響いていないかどうか、確認しておく方がいいでしょう。激しい曲を弾く場合は特に。
2.練習室を借りる
思いっきり音を出しながらピアノを練習したい人のために、レンタルでの練習室というものが提供されているのですから、世の中捨てたものじゃありませんよね。
「地域名 ピアノ 練習室 レンタル」とか「地域名 ピアノ レンタルスタジオ」と入力して検索すると、地域によってはたくさん出てきます(少ない地域もあるかも)。
こちらのサイトにまとまって紹介されていました。
⇒ ピアノの練習室や発表会に使えるレンタルスタジオまとめ
防音もバッチリなので遠慮することなく練習できますが、レンタル料が必要になるのと、多くは予約制なので、自由な時間に練習できるかと言われると、なかなかそうはいきません。
3.消音材・吸音材を取り入れる
カーペットやカーテン、アップライトピアノの背面と壁との間に消音材や吸音材を使用することで、音の響きを抑える方法があります。
さらに壁の中に消音材や吸音材を埋め込むなど、ある程度の工事を施して音を抑えようとする方法まであります。
たとえばAmazonにはこんな吸音材がありますし、ほかにも探せば色々と出てきます。
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じゃあこれで完璧にピアノの音を逃さないかというと、やはり難しいようですね。中途半端に取り入れても、壁や床、窓などから音が逃げてしまうそうなので、期待するほどの防音効果はないのかも……。
なので、室内での音の響きを整えるくらいに思っておいた方がいいかもしれません。録音や動画撮影するときなんかは、役に立ちそうです。
4.防音室や防音室ユニットの導入
つまるところ工事して防音室にするか、箱型の防音室ユニットを室内に入れるかに行き着いてしまいます。実際これだとピアノの音を抑え込んで、外に漏らすことはありません。
大手だとカワイの防音ルームナサールや、ヤマハのアビテックスなどが知られています。
⇒ カワイ音響システム
⇒ ヤマハ防音室・調音パネル
しかし、高い……。
おいそれとは手が出ません。
下手したらピアノよりも高くなるかもしれませんしねぇ~。
将来のまだわからないお子さんのために、防音室を導入するかどうか、親御さんとしては悩ましいというか、厳しい決断かも。
【関連アイテム】
組み立て式の安価な簡易防音室もありますが、ちょ~っとサイズが小さいのでピアノは無理ですね。主な用途は管楽器や弦楽器向けということになります。
あと、これはレアケースかもしれませんが、防音室を導入したにも関わらず苦情が来た、という話しも聞いたことがありますので、100%安心していいのかどうか。本当に稀なケースかもしれませんが。
5.ピアノ前提の部屋に引っ越す
ここまで来ると現実味が薄いかもしれませんが、世の中には音大生など楽器をガンガン弾いたり吹いたり叩いたりする人のための、遮音性に優れたマンションというものがあるんですよね。
たとえば、こちらのサイトに掲載されているような賃貸物件ですね。
⇒ 音楽賃貸ネット|東京近郊の楽器可・防音物件情報サイト
周囲の部屋に住む人もピアノを弾くわけですから、ピアノの音が問題になることもなさそう(ホントに?)です。
そこまで行かなくても、規約上ピアノOKのマンションもあります。ただこの場合でも、住んでいる途中でその規約が変わってしまい、ピアノがNGになったという信じがたいケースも!
まさに、油断禁物ですね……。
【関連書籍】
対処するための技術の基礎知識から、社会環境の問題、騒音問題をトラブルに変える人間心理まで、数多くの騒音トラブルの相談にのってきた著者による悲痛な叫びに応える総合解説書。(Amazonより引用)
まとめ - 最後は感情の問題だからこそ
いかがでしたでしょうか、ピアノの音問題と苦情の対策。
ピアノに限らず楽器の練習や演奏は、どうしても大きな音が出てしまいます。どんなに気をつけて小さな音にしても、それを聴く人の受け止め方次第では不快な騒音になるかもしれません。
最後は感情の問題ですから、苦情が来てからのリカバリーはなかなか難しいというのが正直なところ。一度でも苦情があると、お互いにイヤな気持ちになってしまいますからね。
そうならないために、ご近所さんと良好な人間関係を維持しながら、消音ユニットなども活用しつつ、気持ちよくピアノを弾きましょう。
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ *'∀'*)ノ
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