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やっぱり大事!テンポをコントロールしてピアノを弾くためのメトロノームを使ったトレーニング法

2014-01-25 : ピアノレッスン
テンポをコントロールしてピアノを弾く

こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師☆福田りえです。 (*^-^)/


みなさん、楽譜には必ずテンポの指示があることはご存知でしょうか?


その曲はどんな速さで演奏すればいいのか、どれくらいの速度でピアノを弾けばいいのか、それを作曲者は楽譜の左上に書き残しているんですよね。


今、思わず楽譜を取り出してみて、左上を確認された方もいるんじゃないでしょうか?^^


楽譜に指定してあるテンポ。
そのテンポを守ってピアノを弾けるかどうかは、とっても大切なことなんですね。




ピアノコンクールで明らかになるテンポの重要性


ピアノコンクールで重要なテンポ

私も毎年生徒さんたちとチャレンジしている「グレンツェンピアノコンクール」のような初級者向けのピアノコンクールでは、楽譜のテンポを守ることはとっても重要になります。


なぜなら、まず「楽譜通りに弾く」ことが求められるからなんです。


課題曲を作曲者の意図通りにしっかり表現するためには、間違えずにピアノを弾くことと同じく、曲のテンポを守ることも欠かせません。




実際、ピアノコンクールの会場に1日いて、同じ課題曲をず〜っと聴き比べてみると、演奏者によるテンポの違いがハッキリわかるんですね。


まだまだ不慣れな子は必然的にスローテンポな演奏になりやすいですし、その反対に必要以上にアップテンポで弾いてしまう子もいます。


手指が自由に動かせるようになってくる嬉しさからか、ついつい速弾きになってしまうのかもしれませんね。


しかし演奏のテンポが変わってしまうと、曲の印象がまったく別のものになってしまいます。


こういう演奏者によるテンポの違いが生じないように、作曲者によるテンポの指定があるわけなんです。




ピアノが正しく上達するにはまず「楽譜通りに正しく弾く」ことが第一。正しく弾けるようになってのアレンジですよ。


そのためには楽譜に指示されているテンポをしっかり守ってピアノを弾くようにしましょう。




まずは曲のテンポを表す速度記号をしっかりマスターしよう!


速度記号をマスターしよう

正しいテンポでピアノを弾くには、テンポを表す速度記号を把握しておきましょう。


知ってなければ意味がわかりませんし、全体像がわかっていなければそれぞれの速度記号がどれくらいの速度なのか対比できませんよね。


ここで暗記する必要はありませんが、まずどんなものがあるのかくらいは確認してくださいね。




さてテンポを表す速度記号には大きく2つに分類されます。

速度標語メトロノーム記号です。




速度標語


速度標語ずっと以前から使われてきた、そして今も使われている言葉による速度の表現が速度標語です。

よく見かける「アンダンテ」や「アレグロ」のように、普通はイタリア語で書かれています。


速度標語は次の4つに分類されます。


一定の速度を表す速度標語


  • Grave [グラーヴェ]:重々しく
  • Largo [ラルゴ]:幅広くゆるやかに
  • Larghetto [ラルゲット]:ややLargoに(Largoより速い)
  • Adagio [アダージョ]:ゆるやかに
  • Lento [レント]:のろく
  • Adagietto [アダジェット]:ややAdagioに(Adagioより速い)
  • Andante [アンダンテ]:歩くような速さで
  • Andantino [アンダンティーノ]:ややAndanteに(Andanteより速い)
  • Moderato [モデラート]:中くらいの速さで
  • Allegro moderato [アレグロモデラート]:穏やかに速く
  • Animato [アニマート]:元気に
  • Allegretto [アレグレット]:ややAllegroに(Allegroより遅い)
  • Allegro (Allo) [アレグロ]:快速に・陽気に
  • Vivace [ヴィヴァーチェ]:活発に
  • Vivo [ヴィーヴォ]:活発に
  • Presto [プレスト]:急速に
  • Prestissimo [プレスティッシモ]:非常にPrestoに(Prestoより速い)
  • Tempo giusto [テンポ・ジュスト]:正しいテンポで(一般に心拍の速さ(M.M.=80くらい))
  • Tempo di Valse [テンポ・ディ・ヴァルス]:ワルツのテンポで



相対的な速さを表す速度標語


それまで演奏してきたテンポに対しての速度を表しています。

  • Più mosso [ピウ・モッソ]:それまでより速く
  • Meno mosso [メノ・モッソ]:それまでより遅く(数小節以上で)
  • ritenuto (riten.) [リテヌート]:それまでより遅く(1〜2小節で)



速度の変化を表す速度標語


曲のテンポが少しづつ変わるときに使われる速度標語です。

  • ritardando(rit.)(ritard.) [リタルダンド]:だんだん遅く
  • allargando(allarg.) [アラルガンド]:だんだん遅く(だんだんLargoに)
  • rallendando(rall.) [ラレンタンド]:だんだん遅く(だんだんLentoに)
  • accelerando(accel.) [アッチェレランド]:だんだん速く
  • stringendo(string.) [ストリンジェンド]:だんだん速く(音強も強くする)
  • ritenuto [リテヌート]:すぐに遅く
  • animato [アニマート]:元気に速く
  • con moto [コン・モート]:動きをつけて



その他の速度標語


  • a tempo [ア・テンポ]:元の速さで(上記の「速度の変化を表す速度標語」による変化の前の状態に一時的に戻す)
  • Tempo primo(Tempo Io) [テンポ・プリモ]:曲頭の速さで
  • L'istesso tempo [リステッソ・テンポ]:同じ速さで(1拍の音価が変わっても拍の速さを同じにする)
  • Tempo Rubato [テンポ・ルバート]:自由な速さで
※音価・・・楽譜上での音の長さ




いかがですか?
よく見かける速度標語から、なかなか見かけないレアな速度標語まで、結構たくさーんありますよね。


初見演奏やライブ演奏などでとっさに出くわして「何だっけ?」とならないように、まずは把握しておきましょう。




ところで、テンポを表す速度標語を見ていて「なんかアバウトだな〜」って思いませんか?


「重々しく」ってどれくらい遅いの?
「幅広くゆるやかに」の幅広って、どんな感じ?
「元気に速く」って一体何なの!?


そうなんです。
とても曖昧なんですよね、速度標語って。


演奏者の解釈や受け止め方によって、実際の演奏テンポがまったく変わってしまう可能性があります。


そこで登場するのがメトロノームによるテンポ、つまりメトロノーム記号です。




メトロノーム記号


メトロノーム記号18世紀末からいろいろ試行錯誤が繰り返されたメトロノーム。

ドイツの発明家で技術者のヨハン・ネポムク・メルツェル(Johann Nepomuk Mälzel 1772–1838)が1816年に特許を取得しました。

(特許を取得した、というのがミソなんですけどね。^^;)


一番最初にメトロノームを使って曲のテンポを指定したのは、あのベートーヴェンだそうです。


難聴に苦しんでいたベートーヴェンにとって、視覚的にハッキリわかり、また振動によっても把握できるメトロノームによるテンポというのは、うってつけだったというわけなんですね。




M.M.によるメトロノーム記号


メトロノームによるテンポの表現、つまりメトロノーム記号はM.M.=nと書きます。


「M.M.」は「メルツェルのメトロノーム」という意味。
「=n」は「1分間にn拍打つテンポ」ということを表します。


たとえば1分間に60拍であれば「M.M.=60」と書き表し、メトロノームの目盛りを60に合わせたテンポになります。

「M.M.=100」だったら1分間に100拍ですね。




BPMによるメトロノーム記号


メトロノーム記号として「BPM=n」という表記が用いられることもありますが、意味は「M.M.=n」と同じです。

「BPM=60」は「M.M.=60」となります。

※BPMは「Beats Per Minute」の略。1分間のビートという意味です。




音符によるメトロノーム記号


メトロノーム記号として音符が用いられることがあります。

たとえば「四分音符=60」みたいに。

この例であれば、四分音符が1分間に60拍という意味になります。


もちろん四分音符以外が使われることもあります。


テンポの指定に音符を使うことで、メトロノームの打つテンポが何音符なのかをハッキリさせることができますから、誰が弾いても同じテンポになる(はず!)というわけなんです。




いずれにしてもメトロノームという機械による数値的な表記ですから、言葉による速度標語よりも正確なテンポの指定が可能になりました。


ただ当時のメトロノームは、温度や湿度、部品ごとの精度の違いによって、その速度は必ずしも一定とはいかなかったようですが...。




速度標語とメトロノーム記号の併用


メトロノームが発明されてからは、多くの楽譜でメトロノーム記号が使われるようになりました。

しかしそれ以前の速度標語も一緒に使われることも多くあります。

その場合は「速度標語 ⇒ メトロノーム記号」という順になるのが一般的ですね。




速度標語とメトロノーム記号の対応


では言葉によるテンポ指定である速度標語は、メトロノーム記号の数値で表すとどうなるのか?

気になるところですね。

「アンダンテ」や「アレグロ」、「ヴィヴァーチェ」は数値で表すといったいどれくらいになるのでしょうか?




しかしこれには諸説あって、どれが正解というのがないんですよね。


なぜなら、そもそも速度標語自体が感覚的・主観的で曖昧なものなので、それをメトロノーム記号という数値に置き換えるときも、かなり幅のあるものになってしまうんです。^^;


なので、ここでどの説をご紹介するべきか迷うところなんですが...。


実際にメトロノームを作っていらっしゃる「SEIKO」さんの説を採用することにしました!^^;


  • Largo [ラルゴ]:幅広くゆるやかに ⇒四分音符=40〜60
  • Larghetto [ラルゲット]:ややLargoに ⇒四分音符=60〜66
  • Adagio [アダージョ]:ゆるやかに ⇒四分音符=60〜76
  • Andante [アンダンテ]:歩くような速さで ⇒四分音符=76〜108
  • Moderato [モデラート]:中くらいの速さで ⇒四分音符=108〜120
  • Allegro (Allo) [アレグロ]:快速に・陽気に ⇒四分音符=120〜168
  • Presto [プレスト]:急速に ⇒四分音符=168〜200
  • Prestissimo [プレスティッシモ]:非常にPrestoに ⇒四分音符=200〜208


SEIKOさんも書いていらっしゃるように、速度標語の数値化は「楽典」によって変わってくることを忘れずに、あくまで参考としてくださいね。

※SEIKOさんのページへのリンクはこの記事の一番下にあります。




曲のテンポをコントロールしてピアノを弾くためのトレーニング法


テンポコントロールのトレーニング

さて、楽譜通りのテンポでピアノを弾けるかどうかはとっても大事なことなんですが、ではその練習法は一体どうしたらいいのでしょう。



そこで本日のピアノ魔法は!

(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆ 

アナログとデジタルのメトロノームを使い分けてコントロールする♪


用意するのはアナログのメトロノームと、デジタルのメトロノームの2つ。


私のピアノ教室ではこの2つのメトロノームを使っています。







早いテンポでピアノを弾くトレーニング


早いテンポに手指がついていけない!という人は多いですよね。

そんなときはまず、楽譜を見てそこに指定したある速度記号を確認します。

メトロノーム記号が書いてあれば、そのテンポにアナログのメトロノームを設定して、そのテンポでピアノを練習してみます。



速度標語しか書いてなければ、その速度標語をアナログのメトロノーム上で確認し、そのテンポでピアノを練習します。


たとえば「Allegro」と書いてあれば、私のアナログメトロノームでは「四分音符=132」となっていますので、そのテンポでピアノを練習してみるんですね。




そのテンポで練習してみて手指がついていけそうだったら、そのまま続けてください。


もしテンポが早くてついていけそうになければ、デジタルのメトロノームの出番となります。




デジタルの良いところは小刻みにテンポを設定できるところ。


楽譜の指示が「Allegro(四分音符=132)」だったら、それより少し遅いテンポの「四分音符=120」に設定して練習します。


簡単だと感じたらすぐに1つテンポアップしていくのがポイント。


手指も脳も自然に速いテンポについていこうとするので、少しだけ「速かも」って感じるくらいのテンポで弾いていきましょう。


いきなり速いテンポは難しくても徐々にテンポアップしていけば、いつの間にか指定されたテンポでピアノが弾けるようになるはずですよ。



遅いテンポでピアノを弾くトレーニング


楽譜上はゆっくりしたテンポ指定なのに、ついつい待てずに早くなってしまう...。

ゆっくり遅いテンポになるとカウントしにくいものですよね。

そんなときには電子メトロノームには拍の分割モードか付いていますので、1拍を分割するモードでトライしてみましょう!


1拍を半分・3分の1、4分の1モードがあります。


ゆっくりでも分割してカウントすることで、音価(音符の長さ)をしっかりつかみ取ることができますよ。




さぁ みなさん!
今日も楽しいピアノレッスンを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・

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【参考Webページ】


【オススメ電子メトロノーム】


KORG コルグ コンパクト メトロノーム MA-1 BKRD ブラック&レッド


▲イヤホンジャックがついているので、ヘッドホンでテンポをしっかり聴きながらピアノの練習ができるよ。
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