【動画あり】強弱記号=デュナーミクをしっかり理解してピアノの演奏に活かすには?

2014-05-16 : ピアノレッスン
強弱記号デュナーミク
音の強弱とその記号について、しっかり整理しながら理解していきましょう。
こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師☆福田りえです。 (*^-^)/


前回はスタッカートなど音と音のつながり方を指示するアーティキュレーションのお話をしましたね。


演奏記号の意味を正しく理解することは、作曲家の意図を汲みながら楽曲を分析し、ピアノの演奏につなげる上でとても大切なことなんです。


あやふやな状態では間違った解釈、楽譜と違う演奏になってしまうことになりますから、しっかりと理解しておきましょう。




さてピアノを弾く上で、音のつながりと同じくらい大切なことに「音の強弱」があります。


ピアノを強く弾いたり弱く弾いたりすることで、演奏にメリハリやアクセントを与え、静けさや盛り上がりを表現できますよね。


そして音の強弱は当然、楽譜上の演奏記号として書き表されているわけです。


それがダイナミックマーク(デュナーミク)ともいう「強弱記号」なんです。




音の強さ弱さを表す強弱記号=デュナーミクとは?


強弱記号=デュナーミクとは?

楽譜上で音の強弱を表す強弱記号は、

ドイツ語でデュナーミク(Dynamik)、

英語ではダイナミクス(dynamics)、

フランス語ではニュアンス(nuance)といいます。


読みや綴りは違いますが、どれも同じ意味になんですよ。




また五線譜上に書かれる記号としては強弱記号といいますが、強弱をつけて演奏することや表現方法を「強弱法」と呼びます。


しかし記号も技法もどちらもデュナーミクです。




強弱記号としてのデュナーミクは、ただ「強い・弱い」というだけでなくいくつかの種類がありますので、順に見ていきましょう。


まずはその意味をちゃんと知ることが大切ですよ〜。^^




デュナーミクその1:一定の強さを表す強弱記号


一定の強さを表す強弱記号

音の強さ・弱さの程度がどれくらいなのかを表す強弱記号です。

「p」や「f」など、楽譜の上でよく見かけるお馴染みの強弱記号ですよね。



ピアニッシッシモ(pianississimo)

ピアニッシッシモ(pianississimo) - ppp
意味:ごくごく弱く(ピアニッシモより弱く)

※ピアニッシッシモは「ピアノ・ピアニッシモ」と呼ぶこともあります。

※小さな「ッ」を付けない表記もあります。(以下同じ)



ピアニッシモ(pianissimo)

ピアニッシモ(pianissimo) - pp
意味:とても弱く



ピアノ(piano)

ピアノ(piano) - p
意味:弱く



メゾピアノ(mezzo piano)

メゾピアノ(mezzo piano) - mp
意味:やや弱く

※メゾピアノは「メッゾピアノ」と呼ぶこともあります。



メゾフォルテ(mezzo forte)

メゾフォルテ(mezzo forte) - mf
意味:やや強く

※メゾフォルテは「メッゾフォルテ」と呼ぶこともあります。



フォルテ(forte)

フォルテ(forte) - f
意味:強く



フォルティッシモ(fortissimo)

フォルティッシモ(fortissimo) - ff
意味:とても強く



フォルティッシッシモ(fortississimo)

フォルティッシッシモ(fortississimo) - fff
意味:ごくごく強く(フォルティッシモより強く)

※フォルティッシッシモは「フォルテ・フォルティッシモ」と呼ぶこともあります。



もっと強く、もっと弱く


強弱記号のピアノやフォルテは「p」や「f」を足していくことで、強弱の度合いを増やすことができます。


たとえばppppfffffのようにです。


その場合、呼び方は「シ」がひとつずつ増えていきます。


上記の例だと
ppppは「ピアニッシッシッシモ」。

fffffは「フォルティッシッシッシッシモ」となります。

※小さな「ッ」を付けない表記もあります。


しかし最大でも6つまでで、ほとんどの場合はのように2つまでに収まり、3つ以上は「極めて強く・極めて弱く」という意味合いで用いられます。


また極めて弱く演奏するときには、次のような記号が使われます。

  • ソット・ヴォーチェ(sotto voce 略:s.v.) - 意味:ひそやかな声で
  • メッゾ・ヴォーチェ(mezza voce 略:m.v.) - 意味:半分の声で

もともと声楽のための記号ですが、器楽にも使われるんですよね。



より細かな強弱の指示のために追記される記号


ピアニッシモやフォルテなどの強弱記号には、より細かな指示として以下のような記号が付けられることがあります。

  • モルト(molto) - 意味:非常に、とても
  • ポコ(poco) - 意味:少し、やや
  • ウンポコ(un poco) - 意味:少し、やや


また次のような記号が付けられる場合は、それ以前の音と比べての強弱を表しています。

  • ピウ(più) - 意味:さらに多く
  • メノ(meno) - 意味:より少し





デュナーミクその2:音の強さ弱さの変化を表す強弱記号


音の強さ弱さの変化を表す強弱記号

今度は音の強弱が変化していくときに使われる強弱記号です。

これも小学校の音楽の時間で出てくるのですっかりお馴染みですよね。



クレッシェンド - crescendo(略:cresc.)

クレッシェンド
意味:だんだん強く



デクレッシェンド - decrescendo (略:decresc.)

デクレッシェンド
意味:だんだん弱く

※ディミヌエンド diminuendo (略:dim.) と表記してある場合もありますが、デクレッシェンドと同じです。



記号と文字による違いと用例


クレッシェンド、デクレッシェンドを表す記号クレッシェンドデクレッシェンドは、その形から松葉とかヘアピン(hair pin)などと呼ばれています。


この記号で書かれている場合、強弱の変化の始まりの位置と終わりの位置をハッキリと表すことができます。


また文字による指定よりも比較的短い範囲での強弱の変化を表すことが多いようです。




その反対に文字でcrescendo(cresc.)、decrescendo (decresc.)と書かれている場合は、比較的広い範囲での音の強弱の変化を表します。


しかし記号と違って強弱の変化の始まりの位置と終わりの位置をハッキリと示すことが難しいので、次のように点線で始点と終点を表すこともあります。


cresc.------------------


点線がない場合は、次の強弱記号が出てきたところが終わりの位置とするのが一般的です。




もしcresc.の後にクレッシェンドが出てきた場合、その記号が出てきたところからさらに一段とクレッシェンドする、と解釈するのが普通です。


decresc.デクレッシェンドも同じですね。



より細かな強弱の変化のための記号


クレッシェンド、デクレッシェンド にはより細かな強弱変化の指定のために、次のような記号が付けられます。

  • ポコ・ア・ポコ(poco a poco) - 意味:少しずつ
  • モルト(molto) - 意味:非常に、とても
  • ポコ(poco) - 意味:少し、やや
  • ウンポコ(un poco) - 意味:少し、やや
  • ピウ(più) - 意味:さらに多く
  • メノ(meno) - 意味:より少し
  • マンカンド(mancando) - 意味:消えるように、だんだん弱く





デュナーミクその3:アクセント記号 〜 特定の音だけの強調を表す強弱記号


特定の音だけの強調を表す強弱記号

特定の音、特定の音符に対して付けられる強弱記号で、アクセント記号とも呼ばれています。

中にはピアノでは表現が難しいものも含まれていますが、一応確認しておきましょう。



フォルテピアノ(forte piano)

フォルテピアノ(forte piano) - fp
意味:強く、すぐに弱く

最初の音だけをフォルテフォルテで強く演奏し、すぐにピアノピアノに弱くするという意味になります。

なかなか難しそうな強弱記号ですが、楽器によっては音が出た後でも強弱を変化させることができたりするんですよ。




次にご紹介する3つの強弱記号と7つの表記法は、どれも同じ意味を表す記号となります。


1.フォルツァンド(forzand),フォルツァート(forzato)

フォルツァンド(forzand),フォルツァート(forzato) - fz
意味:その音を特に強く



2.スフォルツァンド(sforzando),スフォルツァート(sforzato)

スフォルツァンド(sforzando),スフォルツァート(sforzato) - sf
スフォルツァンド(sforzando),スフォルツァート(sforzato) - sfz
意味:その音を特に強く



3.リンフォルツァンド(rinforzando),リンフォルツァート(rinforzato)

リンフォルツァンド(rinforzando),リンフォルツァート(rinforzato) - rf
リンフォルツァンド(rinforzando),リンフォルツァート(rinforzato) - rfz
リンフォルツァンド(rinforzando),リンフォルツァート(rinforzato) - rinf
リンフォルツァンド(rinforzando),リンフォルツァート(rinforzato) - rinfz
意味:その音を特に強く


上記の3つの強弱記号と7つの表記法は、見た目は少し違っていても、どれも「その音を特に強く」という意味を表すものです。

・・・ややこしいですね。^^;




ちなみに、ベートーヴェンはこれら特定の音だけの強調を表す強弱記号を、ffとフォルティッシモのように書くことがあります。


たとえば『交響曲第5番 運命』の冒頭の有名な旋律「ジャジャジャジャーン」などです。


この場合は「その音を特に強く」というよりも、「重く」とか「荘厳に」などの意味が込められていますが、どういう解釈で演奏するかは、楽曲ごとに判断するしかありません。



アクセント,アンチェット(accent)

アクセント>
意味:その音を強調する

音の出だしを鋭く強調するように演奏します。



アクセントΛV
意味:その音を強調する

これも音の出だしを鋭く強調する記号ですが、上記の横向きのアクセント記号(>)よりも強く強調することが一般的です。



アクセント<>
意味:その音をふくらませて強調する

音をふくらませるように、弱い出だしを強くしていき、また弱くしていきます。

ピアノでは不可能なアクセント記号ですが、シューマンは好んでピアノ曲に使っているんですよね。^^;




音の強弱の変化とテンポの変化も同時に表している発想記号


音の強弱の変化とテンポの変化

演奏記号の中には演奏の速度と音の強弱の変化を同時に表している発想記号がありますので、併せて確認しておきましょう。

  • カランド(calando) -
    意味:だんだん遅くだんだん弱く、だんだん和らいで

  • モレンド(morendo) -
    意味:だんだん遅くだんだん弱く、だんだん絶え入りそうに

  • スモルツァンド(smorzando 略:smorz.) -
    意味:だんだん遅くだんだん弱く、だんだん静まって

  • ペルデンドシ(perdendosi) -
    意味:だんだん遅くだんだん弱く、だんだん消えるように


どれも同じような意味になっていて一体どう差をつけて演奏すればいいのか迷ってしまいますよね。


でもこれらの発想記号は演奏方法を指定しているというよりも、作曲者の思いや意図を反映して付けられているものですので、実際にピアノで弾くときのヒントとして考えるといいでしょう。




強弱記号の基準となる音の強さは一体どれくらいの音なんでしょうか?


強弱記号の基準となる音の強さとは?

ここまでたくさんの強弱記号を見てきましたが、では強い弱いの基準となる音の強さとはどれくらいになるのでしょうか?


たとえば数字の「0」を基準としたとき、「5」は大きく「-3」は小さいと言えますよね。


それと同じく、まず基準の音の強さに対して、この音はフォルテフォルテで、この音はピアニッシモで、となるはずです。




しかし、強弱記号の基準となる音の強さというものは、具体的には存在していないんですね。


これが音響の世界であれば、具体的に「W/m²」や「デシベル (dB)」といった単位で表すことができるでしょうし、シンセサイザーなどの電子楽器やDTMでは数値的に設定することも可能です。


でもピアノなどの生楽器ではそれはできませんよね。


いつ誰が、どんな楽器、どんな環境で弾いても、必ず同じになるような、そんな音の強さの絶対的な基準を設定できないんです。




しかも強弱記号は「音の大きさ」だけを表すものではなく、「音の強さ」を表しているものです。


音楽で「音の強さ」といったとき、そこには情感的な要素が含まれてきます。


そのためベートーヴェンのように、ffに「重く」とか「荘厳に」といった抽象的なイメージが盛り込まれてくるんです。


つまり演奏上の「表現のあり方」を含んだものが「音の強さ」で、耳に聞こえてくる音の大きさだけで判断するものでもないんですよね。




さらに同じ楽曲の中に出てくる同じ強弱記号であっても、必ずしも同じ強さで演奏すればいいとは限りません。


出てくる楽譜上の箇所が違えば、同じピアノでも意味やニュアンスが変わってくることもあり得ます。


またホールで弾くフォルティッシモffと、防音設備のない自宅で弾くフォルティッシモffでは、聞こえ方も感じ方も違ってきて当然ですよね。


そう考えると、単に強く・弱くではない、奥の深〜いものなんです、強弱記号って。^^




音の強弱をしっかり意識しながらピアノを演奏するためには?


音の強弱を意識してピアノを弾くには?

とはいっても実際のピアノの演奏の中で、どうやって強弱をつけていけばよいのでしょうか?


そこで、本日のピアノ魔法は…

(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆

強弱を意識するということは、筋肉をコントロールするということ。


何よりもまずその楽曲全体をよく分析し、しっかり理解する必要があります。


その上で作曲者の意図や考えを探り、強弱の意味をつかみとるようにしましょう。


作曲した人は何かを表現するために必要だからこそ、そこに強弱記号を付けているわけです。


それを探ることが強弱を意識してピアノを弾くことへの手がかりになるわけなんですね。




では最初にその曲の中に出てくる強弱記号を全体的に見てみましょう。


たとえばピアノピアノからフォルティッシモffまで出てくる曲の場合。


最小の音の強さはピアノで、最大の音の強さはffですね。


それを楽譜全体を見通してまず把握し、最小と最大の間で力の入れ具合を上手く配分するようにイメージしておきましょう。


それをやらずに行き当たりばったりで弾いていくと、強弱のバランスがおかしくなったり、あまり差が感じられない、あるいは反対に差がありすぎたりすることになります。


そうならないように、あらかじみ全体の強弱の加減を想定し、自分の演奏スキルや筋肉と通じてコントロールしていきましょう。



小さい子の強弱表現


小さい子の場合、「強く弾いて」「弱く弾いて」と言ってもなかなか分からないことがあります。


そんなときは実際のボリュームを操作させて実際に体感させてみるとよいでしょう。


オーディオ機器などのボリュームのツマミをひねってみて、実際に音圧の変化を頭にインプット。


ピアノを弾くときも過去の体験を頭の中で思い出してくれます。


よいスピーカーを使うと、より効果的ですよ。




ピアノの強弱表現を動画で見てみましょう!


ではいつものように、手前ミソな動画でピアノの強弱表現を見てましょう。^^






【関連書籍】

ジュニア版 ありそうでなかった 形から引ける音楽記号辞典
これは何の記号?どう読むの?どんな意味?そんな時にこの本を!読み方がわからなくても“形から”引ける音楽記号辞典。小学生から使える“やさしい”解説!(Amazonより引用)


いかがですか?

音の高さや音の長さなど、楽譜上にあるほかの要素に比べて、音の強弱というのは少し曖昧な部分がありますが、それだけに作曲者の意図を汲みながらも、最終的には演奏者の裁量に委ねられているところでもあるんです。


つまり「腕の見せどころ」というわけなんですね。


だからピアノって楽しいんです!



では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・

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