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障がい児のための音楽療法ピアノレッスンと一般的なピアノレッスンの違い

2014-09-14 : ピアノレッスン
音楽療法とピアノレッスン
通常のピアノレッスンと、障がい児のためのレッスンとの違いについて書いてみました。
こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/


毎年9月には私も会員であり、認定音楽療法士として所属させていただいている、日本音楽療法学会の学術大会が開催されています。


昨年は米子で行われ、私も研究事例として発表させていただくチャンスを得ることができました。


そして今年2014年は「臨床現場における人と音楽とのエンゲージメントを考える 〜個を生かし個を結びつける音楽療法〜」というテーマで、9月19日(金)〜21日(日)まで名古屋国際会議場で行われます。


もちろん私も、発表こそありませんが参加させていただきます。




そういった日本音楽療法学会の会員としての活動とは別に、自分のピアノ教室の方では「障がい児のための音楽療法とピアノレッスン」を行っています。


これは自分の中で温めてきた音楽療法とピアノレッスンを融合したもので、主に幼児から小学生、あるいは中学、高校生など若年層を対象としたレッスンです。


では「障がい児のための音楽療法とピアノレッスン」と通常のピアノレッスンとでは、何が違うのでしょうか?


今回はそのことについて少しお話したいと思います。




古典的なピアノレッスン


古典的ピアノレッスン

そもそも古典的なピアノレッスンというのは、昔も今も良質な演奏家を育てることに主眼が置かれています。


ソルフェージュを基本として音楽に対する総合的な理解を深めつつ、ピアノ演奏がいかに巧くできるようになるかを目的・目標に進められているんですね。


幼少期よりスタートしやがて専門の道へと続く長くて険しい道ですが、ひとつのゴールとしてプロのピアニストという到達点があります。


この古典的な道のりは今でも健在で、音楽高校や音楽大学、コンクール、海外留学、そして演奏家へ、というキャリアパスがしっかり根付いていますよね。




もちろん現代社会では、ピアノのレッスンを受けることがイコール演奏家への道というわけではありません。


情操教育や能力開発、あるいは趣味や生涯学習としてのピアノレッスンという位置づけもありますし、到達点としても様々な職業があり得ますよね。


どちらかというと、こちらの方が習っている人の割合として多いのではないでしょうか。




いずれにしても、どこまで上達するのかという差はあるにしても、やはりピアノの上達が第一の目的・目標となっているといえます。


専門の道はもちろんのこと、情操教育や趣味としても、ピアノが少しでも上手く弾けるようになることで、その成果や喜びを感じられるんだと思います。




障がい児のための音楽療法とピアノレッスン


障がい児のための音楽療法とピアノレッスン

それに対して私の「障がい児のための音楽療法とピアノレッスン」は、生徒さんの身体や精神的な機能向上、また社会性の向上を目的・目標に、そのための「手段」としてピアノレッスンを用いています。


身体や精神、社会性の向上が主たる目的・目標で、ピアノはそのためのツールなんです。ピアノの上達はあくまで副次的な成果にすぎません。


ここが古典的なピアノレッスンとは決定的に違うところですね。




音楽療法を取り入れたピアノレッスンでは、発声・発言や目を合わすことに慣れ、あるいは体幹を鍛えたり、歩行、腕力など身体的な強化を図っていきます。


また人とのつながりや交流を持つことでコミュニケーション能力を養い、楽譜を学ぶことで理論的な思考や数という概念を知ったり、塗り絵やワークなどで自己を表現するということを経験していきます。


さらにはピアノ発表会やコンクールなどに参加することで社会とのつながりを体験したり、「嬉しい」とか「悔しい」といった感情の発露を経験し、他者との比較を通じて自己を相対的に捉えることもあります。


それらの結果、IQの向上や学業の成績といった具体的な数値で表れたり、あるいはコミュニケーション能力やソーシャルスキルの獲得という成果に表れてくるようになってきます。




これらの成果はピアノの上達や音楽への理解度と連動していることもあれば、まったく連動していないこともあります。


ピアノの上達はとても遅くても、レッスンを通じて身体や精神、社会性の機能が向上することはよくあることです。


もちろん急速にピアノの実力が向上するケースもあります。


いずれにしても目的・目標が身体や精神、社会性の向上であればそれらの成果に着目し、より良い方向へとさらに改善を重ねていきます。


必ずしもより難易度の高い曲へと進むことが、より良い方向だとは限らないんですね。




ピアノを習っているんだから、という先入観


ピアノを習っているんだから

先ほども書いたように「障がい児のための音楽療法とピアノレッスン」において、ピアノの上達は副次的な成果です。


しかしどうしても「ピアノを習わせているのだから...」とか「ピアノが上達したかどうか?」、「上手く弾けたか弾けないか?」という部分に焦点があたりがちです。


我が子にレッスンを受けさせる親御さんや周囲の大人の方々、また指導する側も、どうしても古典的なピアノレッスンのあり方やイメージに引きずられて、ピアノ上達の程度に目が行ってしまいます。


ですが、そもそもそういった部分が論点ではないことが多いんですね。レッスンを受けはじめたばかりの初期は特にそうです。


しかし主な目的や目標に対する理解があれば、受ける方も指導する側もまったく違う取り組みになるのです。




多様性を受け入れてその子自身をしっかり見ること


多様性を受け入れる

音楽療法やピアノを通じて障がいを持った子どもたちに接していると、「絶対的な方程式や処方箋はない」ということを強く感じます。


もちろん自閉症の子は○○だ、アスペルガーの子は○○である、といった一般的な傾向というものは存在しています。また多くの症例の報告から導き出された手法やセオリーもあります。




でも実際その子たちを目の前にすると、その多様性に驚かされることが多いんですね。一般的な傾向やセオリーには収まりきらないこともよくあります。


それもそのはず、子どもたちはその症例特有の傾向だけで成り立っているわけではなく、性格や質、家庭や学校での教育、療育などでの取り組み、それまでの経験など、数多くの側面を持って生きているからです。


その多様性によって、この症例はこうだ、ああだ、といった「枠」をやすやすと飛び越えていくんですよね。


当然ながらピアノや音楽に対する好き嫌いもありますし、向き不向きだってあります。




そんなとき大切なのは「絶対的な方程式や処方箋」ではなく、「その子自身をよく見る」ということ、これに尽きます。


そして「より良く見る」ためには、たくさんの症例を知って、しっかりとしたバックボーンを持っておくことが重要となるんです。




たくさんの症例や研究事例を知る大切さ


症例や研究事例を知る

今年で14回目を迎える日本音楽療法学会学術大会では、いつもたくさんの症例や研究事例が発表されます。


その中には私のピアノ教室にはまだない事例もありますし、これから出会うであろう事例も含まれていると思います。


しかし参加させていただいた初期のころは、私も具体的な手法やセオリー、テクニック、絶対的な処方箋を探し求めていたような気がします。


  • どうしてこんなに事例ばかり発表されるのだろう?

  • どうしてもっと具体的なメソッドや療法手順などを教えてくれないのだろう?


そんな風に感じていたと思います。


ですが毎年続けて参加させていただき、さらに多くの研究事例にふれる内に認識が大きく変わってきました。


できるかぎり多くの事例を知り自分の中で消化できると、今目の前にいる「その子自身」がより見えてくるような気がしてきたんですね。


反対にあまり事例を知らないと、目の前にいるその子が非常に特異な存在に思えてきて、どうしていいのか分からなくなる場合もあるのではないかと思います。


指導者も、そして親御さんや周囲の大人の方も、より多くの症例や事例研究を知っていただくことで不安は相対化され、その子自身を捉えることの助けになります。


【関連書籍】

音楽療法・レッスン・授業のためのセッション ネタ帳―職人たちのおくりもの (音楽療法の仕事がしたい!)

音楽療法の現場におけるセッションは定型というものがなく、セラピストには常に即興性が求められ、かつ臨機応変でなければならない。そのようなセッションに役立つ“ちょっとした小技”の数々を紹介するのが本書。(音楽之友社Webサイトより引用)


私も寄稿させていただきました。

心ふれあう セッション ネタ帳 For Kids

音楽療法のセッションで、特別支援教育の現場で、そして保育園や幼稚園の音楽活動、ピアノレッスンにも、幅広く応用できる音楽活動のアイディアを集めた本。(音楽之友社Webサイトより引用)


前回の学術大会では自閉症のTくんを小学1〜5年生まで追った事例研究を発表させていただきました。また折を見てブログやメルマガでも、私のピアノ教室での少ない事例ですがご紹介させていただいています。


※リンク先は私のアメブロになります。

これからも親御さんの了解を得ながら、ブログなどでも分かりやすく公開していければと考えています。



今回はちょっと固いお話となってしまいましたね。魔法もありませんでしたが...。^^;


では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・


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コメント
たいへん興味深く拝見しました。古典的な指導法、私も常々感じています。私は音楽療法をきちんと学んだことはありませんが、アメリカで学んだ指導法はこのようなことも含め、指導者が対応できる指導法のような気がします。
Kikimama先生、コメントいただきありがとうございます。
共感してくださり、本当に嬉しいです。
様々なハンディを持った方々と出会い接するほど、
とても範囲が広く奥深さを感じています。
こうして自分のやって来たことを外に出すことで、
自分の考えもまとまると共に、
より良いセッションを提供できると信じています。

kikimama先生、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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