三つ子!?テヌート、ソステヌート、リテヌートも語源で探るとピアノの弾き方もわかる♪

2015-02-15 : ピアノレッスン
テヌート、ソステヌート、リテヌートという名の三匹の猫の写真
まるで三つ子のようにソックリな演奏記号がありますが、ちゃんと見分けがついていますか?
こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師☆福田りえです。 (*^-^)/


前回はポルタメントとポルタートの違いという、言葉が似ていて間違えやすい演奏記号についてご紹介しました。


間違えやすい演奏記号でも読みと意味、そして表現の仕方をしっかりおぼえておけば、実際のピアノの演奏でもつまづくこともなくなります。


また他の楽器で使う演奏記号にも理解が深まるので、アンサンブルなどもグッと楽しくなりますよね。




ですが、まだまだあるんですよね〜、ややこしいものが。^^;


それがテヌートソステヌート、そしてリテヌート


三つ子のように似ていてこんがらがってしまいそうですが、今回はこの3つの演奏記号についてご紹介していきます。




テヌート(tenuto)とは?


テヌート

テヌートの語源はイタリア語で「保持」を表すtenere(テネーレ)で、「保持する」や「保つ」、あるいは「逃げないように」とか「落ちないように手で押さえる」という意味からきています。


英語でいうと「ホールド(hold)」が近いニュアンスですね。


西洋音楽における演奏記号としてのテヌートは「音を保ったまま」という指示で、その音符が指定している音の長さである音価をしっかり守って演奏することを求められます。


勝手に音の長さを変えちゃダメよってことですね。^^




テヌートが出てくる楽譜では、ブルクミュラーの『25の練習曲』にはありそうで無くて、『18の練習曲』の4番「ボヘミアン」の最後から2小節目にテヌート・スタッカート(メッゾスタッカート)が登場します。


ほかには『ソナチネアルバム1』の2番、クーラウ「3つのソナチネ Op.20 第2番」の第1楽章の8小節目に出てきたり...。


古典的な作品でもソナチネ以降に出てくるほかはギロックの作品にもよく出てくるんですが、なかなか幼児やピアノ初心者の方が弾くような作品の中には少ないんですよね。


それだけ初心者の方にとって、音価を守ってピアノを弾くことが難しいということですね。




ソステヌート(sostenuto)とは?


ソステヌート

一方のソステヌートですが、演奏記号としての意味は「各音の長さを十分に保って」と、テヌートとあまり違いがないように感じます。


どちらも「音を保つ」という指示ですが、では実際にピアノで演奏するときにはどう表現したらいいのでしょうか?


それには今度もまた、語源から知ることがカギとなるんですよね。




ソステヌート(sostenuto)はイタリア語のソステネーレ(sostenere)から来ていて、「保持する」や「持続する」という意味もあるんですが、同時に「支える」とか「持ち上げる」、「耐える」「援助する」などの意味も含まれています。


さらにもっと興味深いことが書いてあるブログがありましたので、少しご紹介させて頂きます。


〜ここから引用〜
ソステヌートの原形は「sostenere(ソステネーレ)」という動詞。
語源はラテン語「substinere(スブスティネーレ)」で「下から支える」ことを意味します。

テヌートとソステヌートの違い | ユミの音楽との毎日♪より引用
〜ここまで引用〜


う〜ん、ラテン語の語源を探るとソステヌートには「下から支える」というニュアンスが含まれている、という興味深いお話ですね。


またソステヌートを単純に英訳すると「サポート(support)」が出てくるんですが、何だか下から支えてサポートしてあげるというイメージが見えてきませんか?


つまりソステヌートというのは、音の長さを十分に保持できるように支えるという指示なんですね。




実際のピアノ演奏上は、先ほどご紹介したブログでユミさんも書いているように、音の長さが保たれるように下から支えてあげるような気持ちで弾くといいでしょう。


とはいっても、音価に忠実なテヌートに比べて、何だか曖昧に感じるかもしれませんね。^^;


それは音のつながり方を表すアーティキュレーションであるテヌートに対して、ソステヌートというのは曲想を表す発想記号だからなんですよね。


その楽曲のテーマや構成など曲想を読み取り、それを表現するための手がかりとして発想記号の存在がありますから、どう表現するのが一番いいのかは演奏者の裁量ということになります。


ソステヌートの場合はその語源などから、下から支えるように音を保つという発想を得て、それを自分の指で、手で、腕で、身体で、そしてピアノを介して表現してあげることが大切になるんですね。




ピアノにおけるソステヌートの豆知識


ピアノの場合は他にもソステヌートが使われることがあります。


そのひとつがグランドピアノに3つあるペダルの真ん中のペダルで、これを「ソステヌートペダル」といいます。


ソステヌートペダルの機能は指定の音を伸ばすことですから、発想記号のソステヌートによく似ていますよね。


楽譜には滅多に登場してきませんが、明示的に指示されるときは「pedale sostenuto」とか、省略して「p.s.」と書かれることもありますので、おぼえておくといいでしょう。




もうひとつ別のソステヌートは、ショパンが作曲した『ソステヌート 変ホ長調』というワルツ曲です。


1952年に発見された楽曲で、冒頭にソステヌートが指示されているためこの曲名になっているんですよ。


以上、ソステヌートの豆知識でした。^^




リテヌート(ritenuto)とは?


リテヌート

さて最後はリテヌートについて。


リテヌートの語源はやはりテヌートと同じで、イタリア語の「保持する」や「保つ」を意味するtenere(テネーレ)から来ていて、その先頭に「ri」が付いている形になっています。


tenere(テネーレ)には「保持する」から転じて、「抑える」とか「引き止める」、「制止する」などの意味にも広がります。


また先頭の「ri」は英語の「re」と同じで、「再度」とか「もう一度」というニュアンスを含んでいます。


ふたつを併せて考えると、リテヌートは「もう1度保つ」とか「再度抑える」といった意味になりますよね。




演奏記号としてのリテヌートはテンポを表す速度記号の仲間で、その指示するところは「それまでより遅く」です。


楽譜にリテヌートが出てきたら、それまで演奏してきたテンポよりも遅く演奏することが求められるというわけです。


またテヌートは音価をきちんと守って弾くのに対して、リテヌートはテンポを急に遅くすることで1音1音を長めに演奏するので音価が変化するように感じますが、実際の音価は変わりません。


イメージとしては、自転車や車にブレーキをかけたり、映画『マトリックス』で突然スローモーションになるシーンのような感じ、と捉えるといいかもしれませんね。



リテヌートとリタルダンド(ritardand)の違い


リテヌートに似ている速度記号にリタルダンドがあります。


リタルダンドは「遅らせる」「遅れる」を表すritardare(リタルダーレ)の進行形で、「遅れ続ける」という意味になります。


そこから演奏記号としてのリタルダンドは、「だんだん遅くなる」という指示になります。


楽譜では「ritardando」や省略して「rit.」と書かれていますが、リタルダンドが出てきたら、そこからだんだんと遅く演奏していくわけです。


一方リテヌートというのは、楽譜に書かれてあるところですぐに遅くする、という違いがあるんですね。




まとめ


まとめ

さてここまでテヌート、ソステヌート、そしてリテヌートの違いを見てきましたが、最後にちょっとまとめをしておきましょう。


そこで今回のピアノ魔法は…

(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆

語源を探れば意味がわかる♪


今回はそれぞれの演奏記号の語源からその意味を探ってみましたが、ちゃんとしたルーツがあってその記号が存在しているんですね。


ある日突然、突拍子もなく誰かがいきなり決めた、というわけではなく、言語としてのルーツがあって音楽の記号として今も存在しているというわけです。


決して混乱させるために似たような言葉になっているわけではない、ということなんですよ〜。




ではテヌート、ソステヌート、そしてリテヌートをもう一度まとめておきましょう。

  • テヌート(tenuto / ten.)
    記号:アーティキュレーション
    意味:音価をしっかり守って音を保つ

  • ソステヌート(sostenuto / sosten. / sost.)
    記号:発想記号
    意味:下から支えるように音を保つ

  • リテヌート(ritenuto / riten.)
    記号:速度記号
    意味:それまでより遅く


【関連書籍】

音楽用語のイタリア語
「カンタービレ」、「フォルテ」、「アンダンテ」。どれもポピュラーな音楽用語ですが、これらはすべてイタリア語だというのをご存知でしょうか。本書は曲の解釈や理解を深めるために強い味方となる音楽用語のイタリア語を、ABC順にまとめました。本書を通じて、イタリアの音楽や文化を読み取ってみてください。(三修社Webサイトより引用)


何気ない音楽用語でも、ちゃんと語源や経緯、歴史といったものがあるんですね。いろいろ調べていくと、もっと面白いことがわかってくると思います。


では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・


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