恍惚と不安!合唱コンクールのピアノ伴奏のポイントと練習のコツ、そしてクラスでの立ち位置
2015-07-12 : ピアノレッスンこんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師☆福田りえです。 (*^-^)/
小さい頃にピアノを習っていた方の中には、小学校や中学校で行われている合唱コンクールのピアノ伴奏者に選ばれたことのある方も多いのではないでしょうか。
私のピアノ教室の生徒さんも、合唱コンクールや卒業式などで絶対にピアノ伴奏者の座を勝ち取りたいと、オーディションの楽譜を片手に、意気込んでレッスンに来られることがあります。
ということで、今回は合唱コンクールにおけるピアノ伴奏のコツや練習法についてご紹介したいと思います。
ピアノを習っている子にとって、クラスの合唱コンクールのピアノ伴奏者に選ばれるのは、とても誇らしいことでもあり、同時にプレッシャーを感じることでもあります。
さらには学年代表や学校代表ともなると、ピアノ伴奏者にのしかかる重圧もウナギ登り。
学校によっては合唱コンクールに非常に力を入れているところもありますから、そのプレッシャーたるや想像を絶するものがありますよね〜。ドキドキ ^^;
合唱コンクールでなくても、卒業式や入学式など式典での在校生代表や、場合によっては卒業生代表で、斉唱のピアノ伴奏をすることもありますから、活躍の場(?)はたくさんあります。
また一旦選ばれてしまうと、次もまたお願い!ってなるケースもよく聞きますから、当時を思い出して「ハアハア;」ってなっている方もいるかも?しれませんね。^^;
そんな合唱コンクールの“あるある”ネタが、こちらのサイトにまとめてありました。
ベタな合唱コンクールの法則
読みながら、「あーあるある、それ、あり過ぎる!」なーんて思った方も多いのでは?
特に
たとえクラス中がクサっていっても、伴奏者と指揮者だけは崩れるわけにはいきません。正面からやり切るしかありませんもんね。
では実際の練習法はどうすればいいのでしょうか?
昨年合唱コンクールの伴奏に抜擢された生徒さんがいました。
(その抜擢の過程にも色々あったそうですが...。)
当時彼女は中学3年生。夏休みには塾の夏期講習がスタートし、周囲が勉強尽くしになる中でも、懸命に「譜読み」をしている姿が印象的だったのをおぼえています。
そのときの課題曲は『二十億光年の孤独』という、拍子が頻繁に変わる曲でした。
合唱曲の場合は一般的なクラシックの曲や、キャッチーなポピュラーとも違い、独特のテンポやリズム感、それに何とも言えない雰囲気を持っている曲が多いですよね。
それにピアノ伴奏者にとっては、長い!
その無限とも思える曲の長さに気後れして、尻込みしてしまうこともあるようです。
こういう曲の場合、譜読みをちょっと工夫することで、精神的に楽になることができます。
たとえば
などなど。
とりあえず出来るところを先に増やしていき、同じパターンを見つけることで、曲を見た目よりコンパクトに感じられるようにしていきます。
そうすると曲の理解もスムーズにいきますし、気が楽になりますよね。
さて譜読みができた後、実際にピアノで伴奏を練習するときに、気をつけることが3つあります。
その3つのこととは?
まず実際にピアノで練習するときは、必ずメトロノームを用意して行うこと。これが大事。
難しい部分を何度も練習することも大切ですが、合唱全体の流れも重要なので、メトロノームに合わせて弾けるように練習しましょう。
そこで今回のピアノ魔法は…
(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆
はて、TRF・・・?
TRFとは90年代に活躍したあのグループではもちろんなくて、テンポ感・リズム感・フィーリング感の頭文字を取った造語です、はい。
では合唱曲のピアノ伴奏の練習で大切なTRFを、それぞれ順に見ていきましょう。
合唱曲はテンポが一定のものもありますが、曲中で何度かテンポが変わる曲もよくあり、伴奏者はしっかりとテンポをキープすることが大切になってきます。
そしてそれはすなわち、ピアノ伴奏がペースメーカーだということも意味しています。
日頃から修練をつんでいる合唱部や市民合唱団なら大丈夫ですが、そこまで練度が高くない状態のクラスの合唱では、ピアノ伴奏のテンポが狂えば歌っているみんなのテンポもつられて狂うことに。
全体のペースを乱さないためにも、メトロノームを使った練習でテンポキープ力を身につけてください。
合唱曲はメッセージ性の強い曲が多く、そのメッセージの言葉を「歌」にのせて伝えるとき、リズムが大事になります。
しかし詩や散文詩などが元になっている合唱曲は、歌詞がやや“字余り”に感じたり、言葉が主でメロディーが追従するために曲調が乱高下しやすく、リズムを崩しやすいものです。
リズムが乱れた途端に言葉も乱れメッセージが薄れてしまうので、ピアノ伴奏者はリズム感を大切にして練習していきましょう。
合唱曲が持っている独特の雰囲気。その「フィーリング」が十分に伝わるよう、強弱記号や発想記号など曲想を意識して、やや大げさにつけていきます。
本番は体育館もしくは音楽ホールと、練習時よりも会場がスケールアップするはずですから、小さくまとまってしまわないように、意識的に演奏するといいでしょう。
クラスでの合唱では、曲想やフィーリングに対するピアノ伴奏のウエイトが多くなることも忘れないでくださいね。
そして伴奏者として最も大切なことが、何をおいても曲を止めないこと、です。
練度の高い合唱団なら、(そんなことはあり得ませんが)たとえ伴奏がストップしてもアカペラで曲をキープできますが、クラスの合唱ではやっぱりみんな動揺してしまうものです。
ミスしても曲だけは絶対止めない、という覚悟で臨んでいきましょう。
学校での合唱コンクールでは、いかにクラスのみんなが力を合わせ、息の揃ったパフォーマンスを発揮できるかが大切ですよね。
しかし往々にして本番に向かう過程でクラスの仲が険悪になってしまったり、指揮者と伴奏者、クラスメイト、それに担任の先生との間でも、立場の違いや熱量の差によって摩擦が起こることもよくあります。
帰宅後もひとりで練習することになるピアノ伴奏者としては、何とも言えない複雑な心境になってしまうかもしれませんね。
愚痴のひとつでもいいたくなるでしょう。^^;
でも、そんなときはやはり基本に戻って考えてみてください。
文字通り指揮者がみんなを指揮し、主要パートである声部を支持・強調するために伴奏が側面から“伴(とも)に奏でる”ことで、合唱はひとつにまとまります。
ピアノソロとは違い決して主役ではありませんが、声部を支え、より強めるために、伴奏は存在しているんです。
と同時に、指揮者の補佐という別の面が出てくることもあるでしょう。
本来指揮者というものは、もっとも高度な音楽スキルと豊富な経験と知識を必要とされるポジションですが、クラスの指揮者にそれを求めるのはさずがに酷というもの。
合唱部や吹奏楽部に所属し指揮法を学んでいる指揮者は別として、多くの場合ピアノ伴奏者の方がより多くの音楽経験を持っているものです。
それだけに音楽面での指揮者の補佐役として、状況に応じてさりげなく、そしてしっかりとサポートしてあげるといいでしょう。
オーケストラにも指揮者のほかに、コンサートマスター(通常は第1ヴァイオリンの首席奏者)がいるように、クラスの合唱でも指揮者の補佐役がいることで、みんながまとまりやすくなりますよね。
そういうことを考えると、伴奏者としてどう振る舞えばいいのか、おのずと答えが見えてくると思います。
【関連書籍】
クラス皆が一体化!中学担任がつくる合唱指導
指揮者とよくコミュニケーションをとり、また各パートのリーダーとも協力し合いながら、いろんなハードルを乗り越えて行ってください。
その先には必ず何かが待ってぇ〜い・る・か・ら♪
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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ピアノ講師☆福田りえです。 (*^-^)/
小さい頃にピアノを習っていた方の中には、小学校や中学校で行われている合唱コンクールのピアノ伴奏者に選ばれたことのある方も多いのではないでしょうか。
私のピアノ教室の生徒さんも、合唱コンクールや卒業式などで絶対にピアノ伴奏者の座を勝ち取りたいと、オーディションの楽譜を片手に、意気込んでレッスンに来られることがあります。
ということで、今回は合唱コンクールにおけるピアノ伴奏のコツや練習法についてご紹介したいと思います。
嗚呼、選ばれし者の恍惚と不安..合唱コンクールのピアノ伴奏者
選ばれてあることの恍惚と不安の二つ我に在りと書いたのは、19世紀フランスの詩人ヴェルレーヌですが、心境的には似ているものがあるかもしれませんね。
ピアノを習っている子にとって、クラスの合唱コンクールのピアノ伴奏者に選ばれるのは、とても誇らしいことでもあり、同時にプレッシャーを感じることでもあります。
さらには学年代表や学校代表ともなると、ピアノ伴奏者にのしかかる重圧もウナギ登り。
学校によっては合唱コンクールに非常に力を入れているところもありますから、そのプレッシャーたるや想像を絶するものがありますよね〜。ドキドキ ^^;
合唱コンクールでなくても、卒業式や入学式など式典での在校生代表や、場合によっては卒業生代表で、斉唱のピアノ伴奏をすることもありますから、活躍の場(?)はたくさんあります。
また一旦選ばれてしまうと、次もまたお願い!ってなるケースもよく聞きますから、当時を思い出して「ハアハア;」ってなっている方もいるかも?しれませんね。^^;
そんな合唱コンクールの“あるある”ネタが、こちらのサイトにまとめてありました。
ベタな合唱コンクールの法則
読みながら、「あーあるある、それ、あり過ぎる!」なーんて思った方も多いのでは?
特に
ピアノ弾けない奴には伴奏者の苦労なんて分かるはずないさ。と太字で書いてある部分、共感する人が多そうですよね。^^
たとえクラス中がクサっていっても、伴奏者と指揮者だけは崩れるわけにはいきません。正面からやり切るしかありませんもんね。
では実際の練習法はどうすればいいのでしょうか?
合唱曲の譜読みが精神的に楽になるちょっとしたコツ
昨年合唱コンクールの伴奏に抜擢された生徒さんがいました。
(その抜擢の過程にも色々あったそうですが...。)
当時彼女は中学3年生。夏休みには塾の夏期講習がスタートし、周囲が勉強尽くしになる中でも、懸命に「譜読み」をしている姿が印象的だったのをおぼえています。
そのときの課題曲は『二十億光年の孤独』という、拍子が頻繁に変わる曲でした。
ガラケーの方はコチラ⇒ https://youtu.be/Qk1y3ZtBE7o
合唱曲の場合は一般的なクラシックの曲や、キャッチーなポピュラーとも違い、独特のテンポやリズム感、それに何とも言えない雰囲気を持っている曲が多いですよね。
それにピアノ伴奏者にとっては、長い!
その無限とも思える曲の長さに気後れして、尻込みしてしまうこともあるようです。
こういう曲の場合、譜読みをちょっと工夫することで、精神的に楽になることができます。
たとえば
- 頭から順番に譜読みせずに、分かりやすいところから手をつけるのもアリ
- 伴奏パターンが同じところを探し出して読み解き整理する
などなど。
とりあえず出来るところを先に増やしていき、同じパターンを見つけることで、曲を見た目よりコンパクトに感じられるようにしていきます。
そうすると曲の理解もスムーズにいきますし、気が楽になりますよね。
さて譜読みができた後、実際にピアノで伴奏を練習するときに、気をつけることが3つあります。
その3つのこととは?
合唱のピアノ伴奏練習で気をつける3つのこと
まず実際にピアノで練習するときは、必ずメトロノームを用意して行うこと。これが大事。
難しい部分を何度も練習することも大切ですが、合唱全体の流れも重要なので、メトロノームに合わせて弾けるように練習しましょう。
そこで今回のピアノ魔法は…
(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆
TRFを守って音楽を止めずにレッツゴー!
はて、TRF・・・?
TRFとは90年代に活躍したあのグループではもちろんなくて、テンポ感・リズム感・フィーリング感の頭文字を取った造語です、はい。
では合唱曲のピアノ伴奏の練習で大切なTRFを、それぞれ順に見ていきましょう。
T:テンポ感
合唱曲はテンポが一定のものもありますが、曲中で何度かテンポが変わる曲もよくあり、伴奏者はしっかりとテンポをキープすることが大切になってきます。
そしてそれはすなわち、ピアノ伴奏がペースメーカーだということも意味しています。
日頃から修練をつんでいる合唱部や市民合唱団なら大丈夫ですが、そこまで練度が高くない状態のクラスの合唱では、ピアノ伴奏のテンポが狂えば歌っているみんなのテンポもつられて狂うことに。
全体のペースを乱さないためにも、メトロノームを使った練習でテンポキープ力を身につけてください。
R:リズム感
合唱曲はメッセージ性の強い曲が多く、そのメッセージの言葉を「歌」にのせて伝えるとき、リズムが大事になります。
しかし詩や散文詩などが元になっている合唱曲は、歌詞がやや“字余り”に感じたり、言葉が主でメロディーが追従するために曲調が乱高下しやすく、リズムを崩しやすいものです。
リズムが乱れた途端に言葉も乱れメッセージが薄れてしまうので、ピアノ伴奏者はリズム感を大切にして練習していきましょう。
F:フィーリング感(雰囲気)
合唱曲が持っている独特の雰囲気。その「フィーリング」が十分に伝わるよう、強弱記号や発想記号など曲想を意識して、やや大げさにつけていきます。
本番は体育館もしくは音楽ホールと、練習時よりも会場がスケールアップするはずですから、小さくまとまってしまわないように、意識的に演奏するといいでしょう。
クラスでの合唱では、曲想やフィーリングに対するピアノ伴奏のウエイトが多くなることも忘れないでくださいね。
クラスの合唱伴奏で最も大切な覚悟
そして伴奏者として最も大切なことが、何をおいても曲を止めないこと、です。
練度の高い合唱団なら、(そんなことはあり得ませんが)たとえ伴奏がストップしてもアカペラで曲をキープできますが、クラスの合唱ではやっぱりみんな動揺してしまうものです。
ミスしても曲だけは絶対止めない、という覚悟で臨んでいきましょう。
合唱コンクールでのピアノ伴奏者の立ち位置
学校での合唱コンクールでは、いかにクラスのみんなが力を合わせ、息の揃ったパフォーマンスを発揮できるかが大切ですよね。
しかし往々にして本番に向かう過程でクラスの仲が険悪になってしまったり、指揮者と伴奏者、クラスメイト、それに担任の先生との間でも、立場の違いや熱量の差によって摩擦が起こることもよくあります。
帰宅後もひとりで練習することになるピアノ伴奏者としては、何とも言えない複雑な心境になってしまうかもしれませんね。
愚痴のひとつでもいいたくなるでしょう。^^;
でも、そんなときはやはり基本に戻って考えてみてください。
文字通り指揮者がみんなを指揮し、主要パートである声部を支持・強調するために伴奏が側面から“伴(とも)に奏でる”ことで、合唱はひとつにまとまります。
ピアノソロとは違い決して主役ではありませんが、声部を支え、より強めるために、伴奏は存在しているんです。
と同時に、指揮者の補佐という別の面が出てくることもあるでしょう。
本来指揮者というものは、もっとも高度な音楽スキルと豊富な経験と知識を必要とされるポジションですが、クラスの指揮者にそれを求めるのはさずがに酷というもの。
合唱部や吹奏楽部に所属し指揮法を学んでいる指揮者は別として、多くの場合ピアノ伴奏者の方がより多くの音楽経験を持っているものです。
それだけに音楽面での指揮者の補佐役として、状況に応じてさりげなく、そしてしっかりとサポートしてあげるといいでしょう。
オーケストラにも指揮者のほかに、コンサートマスター(通常は第1ヴァイオリンの首席奏者)がいるように、クラスの合唱でも指揮者の補佐役がいることで、みんながまとまりやすくなりますよね。
そういうことを考えると、伴奏者としてどう振る舞えばいいのか、おのずと答えが見えてくると思います。
【関連書籍】
クラス皆が一体化!中学担任がつくる合唱指導
「音楽素人の担任がなすべき合唱指導」の実践がこの一冊に(明治図書出版Webサイトより引用)
指揮者とよくコミュニケーションをとり、また各パートのリーダーとも協力し合いながら、いろんなハードルを乗り越えて行ってください。
その先には必ず何かが待ってぇ〜い・る・か・ら♪
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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今回、来年の3月にあるフルート科の定期演奏会でのピアノ伴奏を頼まれ、お引き受けするかどうか迷っていました。でも、このブログを読んだ後に、やってみよう!という気持ちになりました。ありがとうございます。
伴奏者としての姿勢、心構え、練習方、とっても役に立ちました。
本当にありがとうございました 🎹