ピアノの譜読みに必要な3つの理解と裏の力とは?〜古代ギリシア人に学ぶ音楽の調和〜

2015-08-02 : ピアノレッスン
ピアノの譜読みに必要な3つの理解と裏の力
譜読みの上達には、意外な力が必要だって知ってましたか?
こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/


ピアノを習っている子どもたちにとって、最初にして最大、しかも絶対に乗り越えなければならない「壁」。


そう、それは譜読み


このブログ、そしてメルマガでも何回も取り上げていますが、楽譜が読めなければ進めない領域というものがある、というくらい分厚くて高い大きな壁ですよね。


通常はワークやカード遊び、アプリなどを使って、音楽的なアプローチから譜読みの力を養っていくわけですが、実はもうひとつ、隠れた力が必要だって知っていましたか?


譜読みという大きな壁を乗り越えるために必要となる裏の力とは、果たして?




わかる!ピアノの譜読みに必要な3つの理解と裏の力


拝む古代ギリシア人の男性

まずピアノの譜読みには基本的な3つの理解が必要です。

  1. 音符の高い低いがわかる
  2. 音符・休符の長さがわかる
  3. 拍子がわかる
の3です。


この3つの理解がなければ楽譜を読むことは難しく、ひとつひとつの音符がわかっただけでは、楽譜を読んでいることにはならないんですね。


楽譜全体を通して「読める」には、音符の高低、音符休符の長さ、そして拍子の3つを理解しておく必要があるんです。


そしてこの基礎的な3つ理解の裏側には、数を数えられるという「算数力」が大きく関わっています。


え、譜読みと算数…
一体どういうことでしょうか?




ムジカ:古代ギリシア人が考えていた世界の調和と音楽観


楽器を演奏する古代ギリシアの人々

ここで少し過去へタイムスリップしてみましょう。


古代ギリシアでは、この世の本質を知る上で重要となる学問は、

  • 数論
  • 幾何学
  • 天文学
  • 音楽 ← 注目!!

の4つだと考えられていました。


ここでいう音楽とは、後述するように今私たちが思い描くような音楽とは違っていますが、4つの学問に共通しているのは数的な調和です。


この世界は数の関係の調和がとれている世界であり、それを学び解き明かしていくことが、この世の本質を知ることになると考えられていたんですね。


この数的な理論のことをムジカ(musica)といい、後に英語のミュージック(music)につながっていきます。




さて数的理論であるムジカには、

  • 宇宙のムジカ
  • 人間のムジカ
  • 道具のムジカ

の3つがあり、これが古代ギリシアで考えられていた音楽だそうです。


「宇宙のムジカ」は天体の運行による数的調和で、「人間のムジカ」はいろんな元素の数的調和の結果としての人の存在を表しています。


そして「道具のムジカ」は、自然に存在している物、あるいは人の手による人工物から発せれられる音で、これも数的調和によって成り立っていると考えられています。


この3つのムジカの内、私たちが実際に耳で聴くことができるのは「道具のムジカ」だけで、そこに周波数という数的調和を見出し、哲学者ピタゴラスはピタゴラス音律を発案したといわれています。


音楽で何かを表現するということは、3つのムジカの内「道具のムジカ」に当たり、楽器の演奏や歌もそこに含まれていることになります。


以降、中世ヨーロッパ音楽は数的調和を拠り所として発展してきたというわけですね。




つまり、西洋音楽の発展の結果としての楽譜には、その背景に数的調和が隠されているんです。


音楽用語で調和というとハーモニー、つまり和音や和声ということになりますが、「道具のムジカ」という視点でとらえると、音楽全体、楽譜全体を束ねる数的調和が見えてきます。


数的な調和の上に、楽譜というのは成り立っているわけです。


そして当然、楽譜を読むという行為には数的理解、「算数力」が必要となってくるんですね。




音楽と算数を結びつけて楽譜を読む


ひれ伏す古代ギリシアの人々

古代ギリシアから中世、そして現代まで、音楽は数的理論と密接に結びついて発展してきました。


しかし現在の日本では、中学入試や高校入試に音楽の科目が含まれていないように、あまり音楽教科のウエイトは重くないかもしれません。


また学校教育での音楽は、音楽に対する感性を育てる豊かな情操を養うといった人間形成の面が強く、実際的に楽譜が読めるようになるまで譜読みについて学ぶことは少ないですよね。


保育園や幼稚園、小学校、中学校の義務教育の間、人によっては高校の選択科目として長〜く音楽に接してきても、楽譜が読めないという人はとても多いものです。


しかし音楽と算数とを関連させて考えれば、その重要度はもっと高まってくるかもしれません。




たとえば音の高低や長さは一定の単位を作り出しています。


拍子は「4分の2拍子(4分の2)」とか、「4分の3拍子(4分の3)」、「4分の4拍子(4分の4)」と分数が出てきますが、分母は何音符かという音の長さを表す音価であり、分子は1小節の中に入る音符の数、拍数を表しています。


他にも音程、音階、旋律、和音、そして対位法と、音楽には算数の力を必要とする要素がテンコ盛り。


これを算数的な理解だけでなく、音楽的な経験として、体感しながら覚えることができるのが、音楽という学問の隠れた特徴なんですよね。



そこで今回のピアノ魔法は…

(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆

練習問題です!


4分の4拍子 四分音符が3つ、四分休符が1つで手を叩きましょう。

タン・タン・タン・(ウン)



これに音程を付けて「ド・レ・ミ」で歌いましょう。

ド・レ・ミ・(ウン)



いかがですか?

たったこれだけのことで、いくつかの算数的な体験をしていることになります。


でも算数的な力が伴っていないと、こんな単純なことでも音楽的に理解することが難しいんですね。




数を数えるところから始まる譜読みの強化


日の出に祈る古代ギリシア人

私のピアノ教室には、たくさんの障がいを持った子どもたちが通ってくれていますが、その中には数字に滅法強い子もいれば、その反対に極端に弱い子もいます。


弱いという表現には語弊があるかもしれませんが、数というものを上手く理解できていないんですね。


足し算や引き算はもとより、1,2,3という数字のつながりや連続性、時間の間隔や進行、日にちや曜日の把握、それにお金の計算なども苦手ですし、レッスン後のシールの枚数も上手く理解できません。


そういう子はどうしても譜読みがスムーズに進まないんですね。




ある時その関係性に気がついてから、初歩的な譜読みの段階で算数的なアプローチを取り入れるようにしました。


譜読みが苦手な子に対して直接譜読みの強化をするのではなく、数を数えるというとこから間接的に譜読みに近づくようにしたんです。


すると数の理解度と相まって、少しずつですが楽譜がわかるようになっていきます。


譜読みという大きな壁を乗り越えるための裏の力が、ゆっくりですが着実についてくわけです。^^


やっぱり音楽とは数的調和、なんですよね〜。




3つの理解の譜読みのでの優先順位は?


古代ギリシアの市井の人々

さて、最初に書いたピアノの譜読みに必要な3つの理解、

  1. 音符の高い低いがわかる
  2. 音符・休符の長さがわかる
  3. 拍子がわかる

ですが、
この中で譜読みの優先順位として一番重要なのはどれでしょう?


私のピアノ教室の生徒さんにお聞きすると、2の「音符・休符の長さ」と答える人が多かったかも。


でも優先順位で一番大切なのは、3の「拍子」なんですよね〜。^^


その曲の全体を表す拍子は一番大切で、それによって何の音がどのくらいの長さなのかも変わってきますからね。


まず全体を把握してから細部に入ること。
これが「譜読みプライオリティ」。


【関連書籍】


ちなみに今回のアイキャッチ画像は「Pythagoreans greet the sun with song(音楽と伴に日の出を祝うピタゴラス学派)by Fëdor Bronnikov 1869」という絵画です。^^


では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・

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