知って損なし?純音・楽音から基音・倍音まで〜ピアノ初心者のための音への秘密の扉

2015-11-08 : ピアノレッスン
純音・楽音から基音・倍音まで〜ピアノ初心者のための音への秘密の扉
ようこそ神秘の音の世界へ!
音の3分類や音の3要素など、普段あまり触れることのない音の秘密へと迫ってみましょう。
こんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/


普段ピアノを弾く上ではあまり意識しないかもしれませんが、音には色んな要素があるんですよね。それらを知らずに弾くとの、知って弾くとのでは、感じ方もちょっと変わってくるかもしれません。


そもそもピアノがどうして88鍵なのか? これを突き詰めていくと平均律から周波数など、音の存在そのものに行き着くんですよね。


つまりピアノをはじめ楽器が奏でる音は、音楽という芸術としての側面と、物理や数学という理数系の側面も、同時に併せ持っているというわけなんです。


今回はそんな音の持つ理数系への入り口へと、ほんのちょっとだけ近づいてみましょう。(難しいお話しは書いてませんよ〜^^)




波間に見える音の正体とは!?


波間に見える音の正体とは!?

音は空気が振動することで伝わってきますが、その様子はよく“波”に例えられて表現されます。いわゆる「音波」ですね。


下の図はベートーヴェンの有名な『交響曲第9番 ニ短調 op.125』、ご存知「第九」の第四楽章を、映像編集ソフトに取り込んで視覚化した音声データです。

「第九」第四楽章の波形データ
音源:YouTubeオーディオライブラリ
ソフト:Adobe Premiere Pro CS6



まさに波! なのでこれを波形(はけい)と呼びます。世の中にいろんな音があるのは、この波形がひとつひとつ違っているからなんですね。



もうひとつ。ショパンの『練習曲 op.10-3番 ホ長調』、いわゆる「別れの曲」の冒頭、最初の1音を視覚化するとこうなります。

「別れの曲」冒頭の1音の波形データ
音源:クラシック名曲サウンドライブラリー
ソフト:Adobe Premiere Pro CS6
※わかりやすくするためにオーディオゲインを上げています。



ひとつの音でも常に一定ではなく、時間の経過とともに刻一刻と変化し続けていることがよくわかりますよね。




音の3分類:純音・楽音・噪音


音の3分類:純音・楽音・噪音

さてここまでを踏まえて、音をその振動の仕方で分類すると、大きく次の3つにわけられています。

  • 純音(じゅんおん)
  • 噪音(そうおん)
  • 楽音(がくおん)

順に見ていきましょう。



純音(じゅんおん)


1つ目は「純音」。単振動とも呼ばれる音で、その名の通り波形にするとこんな風になります。

純音の>正弦波(サイン波)
波がひとつしかなくて、余計な音を一切含んでいません。このような波形を正弦波、もしくはサイン波といいます。


実際に聴いてみるとこんな音になります。

■振動数440Hzの純音


いかがですか? まさに純粋な音という感じもしますが、どこか無味乾燥としていて、何だか少し怖くなるような音ですよね。^^;


私たちの身の周りでは音叉や、テレビやラジオの時報の音が純音とされていますが、厳密には自然界には存在せず、わずかに倍音が含まれているそうです。

音叉の写真
▲音叉


しかし理論上は、倍音が一切入らない音を純音といいます。

※倍音については、この後、楽音のところで出てきます。



噪音(そうおん)


2つ目は「噪音」。噪音はノイズとも言われますが、物がぶつかったり壊れたりする音や、打楽器の音、声の子音なども含まれています。


また音の高さ低さである音高(おんこう)をあまり感じなかったり、規則性のある振動となりにくい点も、噪音の特徴となっています。


実はピアノの音も、弦を打った瞬間は噪音が出ているのですが、その後の音が伸びていくときにキレイな楽音となるように作られ、しっかり調整されているんですよね。


同じ「そうおん」でも、騒音と噪音では違いがあります。騒音は、聴きたくない不快な音、という意味合いになりますので、混同しないようにしましょう。



楽音(がくおん)


最後の「楽音」は、規則性のある振動が持続している音で、先ほどの純音を除いた音のことをいいます。決して音楽に使う音、という意味ではありません。



楽音にはいろんな音が同時に含まれているので、たとえば……

楽音の波形の例
こんな規則性のある複雑な波形になります。(これは一例で、いろんな波形があり得ます。)


これをシンプルな正弦波に分解すると……

フーリエ変換された楽音の波形の例
このように複数の正弦波で成り立っているのがわかります。この分解を「フーリエ変換」といいます。


このとき一番低い振動、上図の濃い青のラインを基本周波数、略して「基音(きおん)」と呼び、それ以外の振動を「上音(じょうおん)」と呼びます。


上音の中には、基音の整数倍の周波数を持っている正弦波があり、それを「倍音(ばいおん)」と呼びます。ピアノを習っているといつか聞くことになる言葉ですね。



さてこの楽音には、音楽にとって欠かせない重要な要素が3つ隠されています。それを見ていきましょう。




楽音に秘められた音の3要素とは?


楽音に秘められた音の3要素とは?

色にも、明度・彩度・色相という3要素があるように、音にも重要な3要素があります。それは……

  • 音程(音の高さ)
  • 音量(音の強さ・大きさ)
  • 音色(音の特性)

の3つです。

この楽音の中に秘められた3要素を順に見ていきましょう。



音の3要素:1.音程(音の高さ)


音の高さはその振動のスピードによって決まります。振動が速いと高く、遅いと低く聴こえ感じます。

シンプルな正弦波の波形で見てみましょう。


高い音

高い音の波形
振動が早いと波形のサイクル(波長)が短くなり、高い音になります。


低い音

低い音の波形
振動が遅いと波形のサイクル(波長)が長くなり、低い音になります。




音の3要素:2.音量(音の強さ・大きさ)


音の強さや大きさである音量は、波形の振れ幅、振幅によって決まってきます。


強い(大きい)音

強い(大きい)音の波形
波の振れ幅(振幅)が広いと、強い(大きい)音になります。


弱い(小さい)音

弱い(小さい)音の波形
波の振れ幅(振幅)が狭いと、弱い(小さい)音になります。


私たちが実際耳にする音量は、空気への伝達度合いや音源の大きさ、音源への距離、また振動の方向によって変わってきます。


例えば、トランペットを正面から聞くのと、吹いている人の後ろから聞くのでは、音の強さや大きさがまったく違いますよね。また出ている音の高さによっても差があるように感じます。


実際に体感する音量は、必ずしも波形と一致するわけではありませんが、だいたいこんな感じなんだなぁ〜と思ってくださいね。



音の3要素:3.音色(音の特性)


音の音色(おんしょく)は、振動の仕方による波形の形によって決まってきます。


硬い音色の例(ノコギリ波)

硬い音色の例(ノコギリ波)


柔らかい音色の例

柔らかい音色の波形


こんな波形も(矩形波)

矩形波


音色は楽器によっても違っていて、別々の楽器を使って楽譜上まったく同じ音を鳴らしても、それぞれ特徴のある音色としてちゃんと聴き分けることができます。


そしてこれらの音色の違いは、基音や倍音、上音の組み合わせや構成の違いによって生み出されているんですね。



まとめ:音の神秘は人の神秘!?


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さて音の理数系の世界への入り口、できるだけ数字や単位などを使わずに説明を試みてきましたが、いかがだったでしょうか? 


長くなったので、ちょっとまとめておきますね。


音の3分類


  • 純音
    正弦波の波形で、倍音が一切入っていない音

  • 噪音
    音高や規則性を感じない音

  • 楽音
    則性のある振動が持続している音(純音を除く)
    基本の振動である基音と、その整数倍の周波数を持つ倍音、倍音以外の上音から成る


楽音に含まれる音の3要素


  • 音程(音の高さ)
    振動の速度による波形のサイクル(波長)によって決まる

  • 音量(音の強さ・大きさ)
    振動による波形の振れ幅(振幅)によって決まる

  • 音色(音の特性)
    振動による波形の形によって決まり、波形の形は基音や倍音、上音の構成よって変わる


音の世界というのは本当に奥が深く、神秘のベールに包まれているものですね。



さて今回のピアノ魔法は…

(〃^∇^)ノ~エイ*・゜゜・*:.。..彡☆

音を聴き分けられる人間も神秘的!


音の理数系の世界はとても複雑で難解なのですが、しかし、私たち人間にはその音を聴きわけられる驚異の能力が備わっています。


何も特別な訓練などすることなく、聞こえてくる音の成分から音の高さや大きさ、音色を自然と聴き分けられるなんて、それこそ神秘的な力ですよね。


その能力があるからこそ、私たち人間は音楽を作り、楽しみ、次世代へと残していくことができたのではないでしょうか。


【関連書籍】

音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス)
ドレミ……は、まずピタゴラスが決めた!それから、純正律や、いくつかの音律を経て、現代の平均律へと進化した。音楽と数学の、ちょっと意外で濃密な関係を興味深く解き明かす。(講談社Webサイトより引用)


なお、音の理数系な側面というのは、シンセサイザーやMIDI、デスクトップミュージック(DTM)を目指す人にとっては、知っていた方が絶対にいい知識となります。


なので、是非その深遠な世界へと足を踏み入れていってください。もっと深く、もっとディープに。^^


では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・

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