【連載開始!】障がいを持つ子どものためのピアノレッスン - ムジカノーヴァ2017年1月号
2016-12-20 : お知らせこんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
ムジカノーヴァ2017年1月号から、わたくし福田りえの新連載がスタートします。といっても雑誌連載は初めてなので、初連載といった方がいいかもしれなんですけどね。
その連載タイトルは「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」。
これまでのムジカノーヴァへの寄稿では、レッスンで使えるiPadアプリなど、デジタルツールをご紹介することが多かったのですが、この新連載では私の本分に立ち返ることにしました。
障がいを持った子どもたちへのレッスンについて、ピアノ指導者の先生方向けに書いていきます。
この記事の目次
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
ムジカノーヴァ2017年1月号から、わたくし福田りえの新連載がスタートします。といっても雑誌連載は初めてなので、初連載といった方がいいかもしれなんですけどね。
その連載タイトルは「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」。
これまでのムジカノーヴァへの寄稿では、レッスンで使えるiPadアプリなど、デジタルツールをご紹介することが多かったのですが、この新連載では私の本分に立ち返ることにしました。
障がいを持った子どもたちへのレッスンについて、ピアノ指導者の先生方向けに書いていきます。
この記事の目次
- そこに悩みがあるから、テーマは「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」
- この先どうやってピアノを弾けるようになるんだろう?
- キャンセル待ちが出るほど潜在的に強いニーズを感じています
- ピアノ教室目線で、実務レベルで役立つ記事に
- 発売中の連載掲載号のご案内 ←追記!
そこに悩みがあるから、テーマは「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」
そもそもこれまでムジカノーヴァ誌上でご紹介してきたデジタルツールも、障がいのある子どもたちが興味を持ち、ソーシャルスキルの向上や発達の役に立つものはないか、と探していく過程で見つけてきたもの。
「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」に含まれているもの、だったんですね。
連載の流れの中で、iPadアプリなどについても触れることがあるかもしれませんが、一旦は主軸を「障がいを持つ子どものためのピアノレッスン」に移しています。
実際ムジカノーヴァ編集部からも、そういった読者のニーズがあるということをお聞きしていますし、私自身、ピアノ指導者の方からご相談を受けることもあります。レッスンを見学したいという、先生からの問い合わせも、定期的に来ます。
指示が通りづらかったり、なかなか言うことを聞いてくれないなど、レッスンが難しいと感じる生徒さんに、悩んでいらっしゃる先生方も多いんですよね。
また知らず知らずのうちに、そういった子どもたちにレッスンすることになってしまい、戸惑われているという話も耳にします。意図せずそうなってしまい、対応に苦慮されているんですね。
「最近、そういった子が増えてきました。」という話は、検挙に暇がなく、どう接すればいいのかという悩み自体も、増えてきているんだなぁと実感します。
この先どうやってピアノを弾けるようになるんだろう?
ひと口に「障がい」といっても、実にいろんな様態があります。個々の性格や家庭環境、教育の過程なども影響して、ホントに千差万別なんですよね。みんなそれぞれ個性的です。
- 人の話しを静かに聞くことが出来ない
- イスにじっと座っていられない
- 集中していられる時間が極端に短い
- 話の流れに関係ない発言が多い
- ウロウロ歩きまわって止まらない
など、すぐにわかるようなこともあれば、パッと見、そうだとは感じられないこともあります。
それまでの既成概念や常識、思い込み、こうあるべき論、セオリーやメソッド、教材などが通用しないこともしばしばです。培ってきた指導法がまったく通じないことだって当たり前のようにあります。
- どうして音符が読めないのか?
- なぜ真ん中のドの位置をおぼえられないのか?
そんな簡単なことが分からなくて、この先どうやってピアノを弾けるようになるんだろう、と思うようなことがたくさん待ち構えています。
そんなことも理解できないの……って。
でも、現実に目の前にその子がいる。
30分~45分といった短いレッスン時間の中で、何かやらなければならない、何かひとつでも成果を出さなければいけない……。
1音でもいい、どれでもいいから、今日は鍵盤を叩いて……。
その焦りや不安、プレッシャー。そしてまったく何も出来ずにレッスンが終わってしまったときの無力感。私も何度も経験してきました。
1ヶ月、2ヶ月経っても、何の変化も、その兆しさえも感じられないことだってあります。数ヶ月間、床にずーっと“の字”を書いているだけの子もいました。
半年経ってやっとイスに座ってくれたなんてことや、多動でレッスンどころか、言葉がけすら成立しなかったこともあります。物が壊れることだって普通に起こります。ガシャーン!
傍から見たら、ピアノを教えている場だとは、とても思えないかもしれませんね。それくらい、いろんなことがありました。
それでも、成長するんです、人って。
不思議ですね。^^
キャンセル待ちが出るほど潜在的に強いニーズを感じています
2013年3月、それまでのいろんな経験を踏まえ、「障害児(障がい児)のための音楽療法とピアノレッスン」という名のレッスンメニューを、新たにスタートしました。
ホームページに専用のページ、専用の問い合わせフォームを設け、広く生徒募集を行うようにしたんですね。
生徒数はほぼMAXだったので、一旦新規の募集は停止し、自然減で生徒数を減らしてからの再募集。意図してやっているとはいえ、正直、生徒数を減らすのは怖かったです。収入も減りますからね。
生きた心地はしませんでした。^^;
しかし……
結果的にたくさんの問い合わせをいただけたのです。ホッ
- 広汎性発達障害
- 自閉症スペクトラム
- アスペルガー症候群
- ADHD 注意欠陥・多動性障害
- LD 学習障害
- 言葉遅れ
- 知的障害
- 発達性協調運動障害
- ウォーカーダウン症候群
- プラダウィリー症候群
- 染色体異常による障害
- 筋ジストロフィー
- 脳性麻痺
- 視覚障害
- ダウン症
などなど。
いろんな子どもたちと出会うことができました。お預かりするまで知らなかった症例名もありますし、グレーゾーンの子を含めると、もっともっと増えます。
おかげさまで、今ではキャンセル待ち(?)、空き待ちの方のウエイティング・リストができるほどになりました。距離的に遠く離れた他県からも、レッスンに通っていただけています。
本当に強い潜在的ニーズを感じるんですね。
健常の子、今は定型発達と呼ぶことが増えましたが、障がいのない子と半々の生徒構成になってますので、演奏会やピアノ発表会などでは、お互いのアンサンブルなどの機会も作れるようになりました。
って書くと、障がいのない子が、障がいのある子をリードする形でのアンサンブルなんだろうと思われるかもしれませんが、いえいえ、逆のパターンも結構あるんですよね。
お兄さんお姉さんになった障がいのある子が、年少の障がいのない子をリードしたりサポートしたり、というケースもあるんです。合唱の指揮をした自閉症のお兄さんもいます。
コンクールや演奏会に出て堂々と演奏する子もいますし、卒業式でピアノ伴奏したり、発表会で2年連続オーディエンス賞金賞を獲った自閉症のお兄さんもいます。
子どもたちの成長力には、ホントに目を見張るものがありますよね。教室に来たころには考えられなかった、素晴らしい結果を出すんですから。恐れ入りましたぁ~、と平伏せざるを得ません。
m(_ _)mハハー
ピアノ教室目線で、実務レベルで役立つ記事に
私が障がいを持った子どもたちにレッスンするバックボーンとして、音楽療法の知識や経験、資格などは欠かせませんが、いざ文章にして説明しようとすると、かなり堅苦しくなってしまいます。
音楽療法は音楽という文脈の上にありますが、同時に代替医療という側面も相当強くあって、聞きなれない言葉や漢字がズラ~っと並んでしまうので、きっと読み難い紙面になってしまうと思います。
また実際のピアノ教室の現場では、そこまでは求めていないケースの方が多いかもしれません。
音楽療法的なテーマと、ピアノ教室の現場で起こっている悩みは、必ずしも一致するわけではないんですよね。音楽療法のクライアントと、ピアノ教室の生徒では、そもそも前提が違うんです。
そこでムジカノーヴァさんで連載をはじめるにあたっては、角を削ぎ落とし、わかりやすくかみ砕いて、ピアノ教室目線に徹した記事にすることにしました。
よくある身近な事例、具体的なレッスン法、使えるアイテムなどなど、実務レベルで「あーなるほど」と、「これは使える」と思ってもらえるよう、心がけて書いていきます。
まず連載第1回目は、私自身が障がいを持った子どもたちに、なぜピアノを教えようと思ったのか、そのキッカケについてと、そういった子どもたちに接するとき、まず最初にやるべきことについて書いています。
その衝撃的な事件は、まだ私が音大生のときのこと。実家ではじめたピアノ教室で起こったのです。そこで出会ったのは……!?
続きは紙面で!
発売中の連載掲載号のご案内
ムジカノーヴァ 2017年4月号連載第4回:親御さんへの言葉がけの大切さ
ムジカノーヴァ 2017年 03 月号 [雑誌]連載第3回:「アレ、この子もしかして…?」という戸惑い
ムジカノーヴァ 2017年2月号連載第2回:体験レッスンでの観察とヒアリング
ムジカノーヴァ 2017年 01 月号 [雑誌]連載第1回:障がいを持つ子どものためのピアノレッスン
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ *'∀'*)ノ
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