【献本】保育士さんにオススメ!『たのしい楽器あそびと合奏の本』ピアノの先生にも
2017-10-23 : お知らせこんにちは、FUKUON 福田音楽教室
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
以前もこのブログでご紹介させていただきました深見友紀子先生から、保育士さんや幼稚園の先生にオススメの新刊を、ご献本いただきました(サムネイルに使用したチラシデータもご提供くださりました)。
それがこちら……
保育士・幼稚園教諭・ピアノの先生必携
『たのしい楽器あそびと合奏の本』
(伴奏CD付き)
赤羽美希 著 / 深見友紀子 監修
ヤマハミュージックメディア 刊
ピアノで苦労されている保育士さんも多いですが、さらに楽器の合奏となると、もっと難しいなぁ~と感じるかもしれませんね。どうやって子どもたちに指導すればいいのかって。
でも音楽会や演奏会など、園でのイベントは待ってはくれません。
そんなときこの本が心強い味方に。さまざまな楽器の扱い方や、子どもたちが「またやりたい」って言ってくれる合奏のコツが、わかりやすい図解入りでたくさん紹介されているんです。
※以後、アンサンブル=合奏のことです。
この本は合奏のアレンジ曲はもちろん、そのベースとなる基礎的なことを広く知ることができます。特に……
の3つについては、まとまって学ぶ機会も少ないので、とても貴重な情報ではないかと思います。
本書の第1章「楽器とメンテナンス」では、
といった、園や小学校でおなじみの楽器から……
などなど、ちょっと大掛かり(?)な楽器まで、基本的な音の鳴らし方や遊び方、それに片付け方まで丁寧に解説。美しい音を奏でるための、使う前のチェックポイントまで付いています。
▲※これがグロッケンシュピール。写真で見ると「ああ、あれか~」ってなりますよね。^^
また「先生のためのちょいネタ」として、子どもたちが喜ぶようなメロディーや、演奏のためのコツ、楽譜の見方なども優しく紹介してありますから、とても実践的です。
ほかにも「持っていると便利な楽器」として、サウンドブロックやトーンチャイム、おもちゃ楽器など、いくつか紹介されていますので、合奏の構成を考える上でも参考になります。
いきなり「さあ、みんなで合奏しましょう!」といっても、小さな子どもたちにとってはハードルが高いですよね。まあ最初はムチャクチャになってしまうもの。
実際に楽器を持たせる前に、そもそも音楽というのはどういうものなのか、少しずつ慣らしてあげることが大切です。つまり導入のステップが必要なんですね。
本書の第2章「あそびながら楽器となかよくなろう!」では、遊びやゲームを通じて、音や音楽を聴くことに慣れ、楽器の扱い方を知ることで、合奏のための下準備をしていくアイディアが紹介されています。
とても単純な音遊びのように見えますが、子どもたちが指揮者に意識を向けるような仕掛けが盛り込んであり、合奏で大切な“合わせる”ことや、指導する側のコントロール力も養えるようになっています。
「楽器探索ゲーム」として紹介されている中で、
といった遊びは、言葉を介さないノンバーバルコミュニケーションになっていて、音楽教育としてはもちろんのこと、対人関係を築く上でも意味のあるものですから、是非やってみてくださいね。
また
などの遊びは、直接的に合奏の下地作りに役立ちます。
ほかにも
のような、楽しいゲームも紹介されていますので、普段の音楽授業でも活用できそうです。
ここまでの第1章と第2章で楽器や音・音楽に慣れたら、いよいよ合奏に入っていきますが、いきなり本格的にやるのではなく、いくつかのステップを経ていくのが本書の特徴となっています。
まず第3章「すぐできる!かんたんアンサンブル」で、子どもたちが“絶対に失敗しない”ような音出しにチャレンジしていきます。
たとえば『マンボNo.5』では、楽器を使って自由に音を出しつつ、先生の伴奏に合わせて「アーーーァ! ウッ!」という、お馴染みの掛け声で合わせます。
また『チキチキバンバン』では自分の順番が来たら音を出す、というふうに、曲に合わせて音を出すということを学びます。
そこから進んで、『おもちゃのチャチャチャ』や『山のおんがくか』など、擬音や掛け声がある曲を使って、歌詞に合わせて音を出すことを体験していきます。
こんな感じで、曲の一部や象徴的なパートにしぼって音出しを担当することで、子どもたちは間違えることなく、合奏の楽しさを知っていけるようになっているわけですね。
次の第4章「おさえておきたい!基本のリズムパターン」では、子どもたちが楽しめる基本的ないくつかのリズムパターンを、手拍子や楽器、身振り手振りを交えながら学ぶことができます。
ドンドンパ! ドンドンパ! と繰り返す『ウィー・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You / Queen)』なんかは、子どもたちだけじゃなく大人も燃えそうですね。^^
いよいよ最終の第5章「みんなでたのしくアンサンブル!」では、ここまで経験してきたことを使って、楽しく合奏をやっていきます。
取り上げてある曲も『たなばたさま』や『大きなくりの木の下で』など、馴染みのあるものばかり。簡単なパターンの繰り返しで、子どもたちもすんなり取り組めそうです。
まず指導のコツとして……
などが挙げられており、合奏に取り組む前の準備についても書かれてあるのが心強いですね。
また曲ごとの楽譜だけでなく、楽器や担当人数の構成とセッティング図、「これさえできればOK」といった合奏の核心部分、参考になるページの紹介など、指導する先生の立場に立った配慮が充実しています。
この『たのしい楽器あそびと合奏の本』は全ページ3色刷りで、イラストや図解も満載。やることやポイントが直感的にわかって、見ているだけで楽しくなります。
本のサイズも大きくて、楽譜も見やすいですね。
先生の指示パフォーマンスのやり方なども書いてあったので、生徒さんたちの演奏をまとめるときに、参考にしてみたいですね。
▲オーティズム・ミュージシャン・コンサートで合奏にチャレンジする生徒さんたち(下段)。手前の頭が指揮をする私です。
本書付属の伴奏CDにはナント31曲も収録してあり、ピアノ伴奏がちょっと苦手なんだけどなぁ~という保育士さんにもオススメ。
なんていう使い方もできますから、現場に先生が一人しかいない場合でも、安心して合奏に取り組むことができます。
第2章から第5章までは一貫した流れとなっていますので、子どもたちの習熟度にあわせて使うこともできますし、第5章の合奏曲から逆引きして、参照ページの学習ステップを先におこなうことも可能です。
「本書の使い方」にも書いてありますが、最初から全部やっていかなくてもOK。無理なくできるステップから取り組んでいくと、いいんじゃないかなと思います。
合奏の指導や指揮というのは、なかなか学ぶ機会は少ないですよね。音大でも指導される側としての学習がほとんどですので、保育士さんにとっては、ピアノ伴奏以上に敷居が高いかもしれません。
今回ご紹介した『たのしい楽器あそびと合奏の本』は、著者である赤羽美希先生が保育現場からの声を活かされ、
なので、保育の現場や初歩の音楽教育で、アンサンブルへの導入として本書を使いながら、合奏指導の入り口をくぐることができるのでは、と思います。
ぜひ手にとって、活用してみてくださいね。
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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以前、深見友紀子先生からご献本いただいたのはこちら。
ピアノ講師&音楽療法士の福田りえです。 (*^-^)/
以前もこのブログでご紹介させていただきました深見友紀子先生から、保育士さんや幼稚園の先生にオススメの新刊を、ご献本いただきました(サムネイルに使用したチラシデータもご提供くださりました)。
それがこちら……
保育士・幼稚園教諭・ピアノの先生必携
『たのしい楽器あそびと合奏の本』
(伴奏CD付き)
赤羽美希 著 / 深見友紀子 監修
ヤマハミュージックメディア 刊
ピアノで苦労されている保育士さんも多いですが、さらに楽器の合奏となると、もっと難しいなぁ~と感じるかもしれませんね。どうやって子どもたちに指導すればいいのかって。
でも音楽会や演奏会など、園でのイベントは待ってはくれません。
そんなときこの本が心強い味方に。さまざまな楽器の扱い方や、子どもたちが「またやりたい」って言ってくれる合奏のコツが、わかりやすい図解入りでたくさん紹介されているんです。
※以後、アンサンブル=合奏のことです。
『たのしい楽器あそびと合奏の本』で知る合奏指導の3つ基礎
この本は合奏のアレンジ曲はもちろん、そのベースとなる基礎的なことを広く知ることができます。特に……
- いろんな楽器の扱い方
- 楽器と遊びの要素を混ぜたゲーム
- 参加人数に合わせた楽器のセッティングや構成
の3つについては、まとまって学ぶ機会も少ないので、とても貴重な情報ではないかと思います。
1.いろんな楽器の扱い方
本書の第1章「楽器とメンテナンス」では、
- カスタネット
- すず(ベル)
- タンバリン(タンブリン)
- トライアングル
といった、園や小学校でおなじみの楽器から……
- クラベス(拍子木)
- マラカス
- ウッドブロック
- 小太鼓(スネアドラム)
- 大太鼓(バスドラム)
- シンバル
- 木琴
- グロッケンシュピール※
- 鍵盤ハーモニカ
- ミュージックベル
などなど、ちょっと大掛かり(?)な楽器まで、基本的な音の鳴らし方や遊び方、それに片付け方まで丁寧に解説。美しい音を奏でるための、使う前のチェックポイントまで付いています。
▲※これがグロッケンシュピール。写真で見ると「ああ、あれか~」ってなりますよね。^^
また「先生のためのちょいネタ」として、子どもたちが喜ぶようなメロディーや、演奏のためのコツ、楽譜の見方なども優しく紹介してありますから、とても実践的です。
ほかにも「持っていると便利な楽器」として、サウンドブロックやトーンチャイム、おもちゃ楽器など、いくつか紹介されていますので、合奏の構成を考える上でも参考になります。
2.楽器と遊びの要素を混ぜたゲーム
いきなり「さあ、みんなで合奏しましょう!」といっても、小さな子どもたちにとってはハードルが高いですよね。まあ最初はムチャクチャになってしまうもの。
実際に楽器を持たせる前に、そもそも音楽というのはどういうものなのか、少しずつ慣らしてあげることが大切です。つまり導入のステップが必要なんですね。
本書の第2章「あそびながら楽器となかよくなろう!」では、遊びやゲームを通じて、音や音楽を聴くことに慣れ、楽器の扱い方を知ることで、合奏のための下準備をしていくアイディアが紹介されています。
とても単純な音遊びのように見えますが、子どもたちが指揮者に意識を向けるような仕掛けが盛り込んであり、合奏で大切な“合わせる”ことや、指導する側のコントロール力も養えるようになっています。
「楽器探索ゲーム」として紹介されている中で、
- すすめ!とまれ!
- 音で自己紹介
- おしゃべりカスタネット
といった遊びは、言葉を介さないノンバーバルコミュニケーションになっていて、音楽教育としてはもちろんのこと、対人関係を築く上でも意味のあるものですから、是非やってみてくださいね。
また
- 音をぴったり合わせよう
- 音のしっぽを聴こう
- 合図にあわせて音を出そう
などの遊びは、直接的に合奏の下地作りに役立ちます。
ほかにも
- タンブリンでいすとりゲーム
- にんじゃゲーム
のような、楽しいゲームも紹介されていますので、普段の音楽授業でも活用できそうです。
3.参加人数に合わせた楽器のセッティングや構成
ここまでの第1章と第2章で楽器や音・音楽に慣れたら、いよいよ合奏に入っていきますが、いきなり本格的にやるのではなく、いくつかのステップを経ていくのが本書の特徴となっています。
3-1.絶対に失敗しないアンサンブル
まず第3章「すぐできる!かんたんアンサンブル」で、子どもたちが“絶対に失敗しない”ような音出しにチャレンジしていきます。
たとえば『マンボNo.5』では、楽器を使って自由に音を出しつつ、先生の伴奏に合わせて「アーーーァ! ウッ!」という、お馴染みの掛け声で合わせます。
また『チキチキバンバン』では自分の順番が来たら音を出す、というふうに、曲に合わせて音を出すということを学びます。
そこから進んで、『おもちゃのチャチャチャ』や『山のおんがくか』など、擬音や掛け声がある曲を使って、歌詞に合わせて音を出すことを体験していきます。
こんな感じで、曲の一部や象徴的なパートにしぼって音出しを担当することで、子どもたちは間違えることなく、合奏の楽しさを知っていけるようになっているわけですね。
3-2.リズムのパターンをおぼえよう
次の第4章「おさえておきたい!基本のリズムパターン」では、子どもたちが楽しめる基本的ないくつかのリズムパターンを、手拍子や楽器、身振り手振りを交えながら学ぶことができます。
ドンドンパ! ドンドンパ! と繰り返す『ウィー・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You / Queen)』なんかは、子どもたちだけじゃなく大人も燃えそうですね。^^
3-3.指導者への配慮が充実の合奏曲集
いよいよ最終の第5章「みんなでたのしくアンサンブル!」では、ここまで経験してきたことを使って、楽しく合奏をやっていきます。
取り上げてある曲も『たなばたさま』や『大きなくりの木の下で』など、馴染みのあるものばかり。簡単なパターンの繰り返しで、子どもたちもすんなり取り組めそうです。
まず指導のコツとして……
- 曲の構成の把握
- 歌って曲をおぼえる
- パートの割当
- 楽器数のバランス
- パートの並ばせ方
- 合図の出し方
などが挙げられており、合奏に取り組む前の準備についても書かれてあるのが心強いですね。
また曲ごとの楽譜だけでなく、楽器や担当人数の構成とセッティング図、「これさえできればOK」といった合奏の核心部分、参考になるページの紹介など、指導する先生の立場に立った配慮が充実しています。
活用方法もいろいろ - 無理なくできるステップから取り組んでいけます
この『たのしい楽器あそびと合奏の本』は全ページ3色刷りで、イラストや図解も満載。やることやポイントが直感的にわかって、見ているだけで楽しくなります。
本のサイズも大きくて、楽譜も見やすいですね。
指示パフォーマンスの参考に
先生の指示パフォーマンスのやり方なども書いてあったので、生徒さんたちの演奏をまとめるときに、参考にしてみたいですね。
▲オーティズム・ミュージシャン・コンサートで合奏にチャレンジする生徒さんたち(下段)。手前の頭が指揮をする私です。
付属CDの使い方
本書付属の伴奏CDにはナント31曲も収録してあり、ピアノ伴奏がちょっと苦手なんだけどなぁ~という保育士さんにもオススメ。
- ピアノパートはCDに任せて先生も合奏に参加
- 指示や指揮に集中することで合奏の狙いや目標を見失わない学習
なんていう使い方もできますから、現場に先生が一人しかいない場合でも、安心して合奏に取り組むことができます。
習熟度に応じて使う or 合奏曲から逆引きで使う
第2章から第5章までは一貫した流れとなっていますので、子どもたちの習熟度にあわせて使うこともできますし、第5章の合奏曲から逆引きして、参照ページの学習ステップを先におこなうことも可能です。
「本書の使い方」にも書いてありますが、最初から全部やっていかなくてもOK。無理なくできるステップから取り組んでいくと、いいんじゃないかなと思います。
まとめ - アンサンブルの導入と合奏指導の入り口
合奏の指導や指揮というのは、なかなか学ぶ機会は少ないですよね。音大でも指導される側としての学習がほとんどですので、保育士さんにとっては、ピアノ伴奏以上に敷居が高いかもしれません。
今回ご紹介した『たのしい楽器あそびと合奏の本』は、著者である赤羽美希先生が保育現場からの声を活かされ、
子どもたちが、他者と音楽を共有する幸せな時間をたくさん持てますように!という願いを込められて作られています。
なので、保育の現場や初歩の音楽教育で、アンサンブルへの導入として本書を使いながら、合奏指導の入り口をくぐることができるのでは、と思います。
ぜひ手にとって、活用してみてくださいね。
では みなさん!
今日も楽しいピアノライフを♪ ・∀・*)ノ
*:゜・*:.。.*.。.:*・・*:.。*・
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